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森のお仕事株式会社
東京の西多摩を拠点に山林整備をメインに活動。「休日山しごラボ」や「お茶づくり&檜原村の自然満喫ツアー」などの体験イベントを通して、森と人との関わり方を伝える活動も行なっています。この記事では代表の岩田さんにチェーンソーの安全な使い方を教えていただきました!
HP:https://workinthewoods.jp/index.html
Instagram:https://www.instagram.com/morinooshigoto/
チェーンソーが必要な作業って?
チェーンソーはそもそもどんな作業に使用するのでしょうか?チェーンソーが必要な作業とそうでない作業を見極めて効率的に作業しましょう。チェーンソーが必要な作業
チェーンソーは主に樹木の伐採を目的に使用される機械です。より身近な作業としては薪づくりやチェーンソーアートがあります。素人でも伐木は可能?
「自宅の敷地内に伐採したい木がある」という方は意外と多いのではないでしょうか?あまり太くない木だと「もしかしたら自分で切れるかも!」と考えてしまいそうになりますが、素人がチェーンソーで樹木を伐採するのはとても危険です。伐木するとしても腕より太いような木は業者に任せるのがベターです。自分では、薪づくりなど簡単な作業のみ行うようにしましょう。※山林の場合は自分の所有している敷地であっても、事前に自治体への届け出が必要です
チェーンソーを使う前の注意点
チェーンソーを使用する前にはいくつか注意することがあります。何も考えずに使用すると大きな怪我や事故につながるのでしっかりと確認しましょう。雨や雪の日の作業は控える
雨や雪、風の強い日にはできる限り作業を控えましょう。少しの雨や雪であればチェーンソーが壊れることはありませんが、足元が滑りやすくなり危険です。また、気温が低い日は体(特に手や足などの末端)が冷えてしまいます。体が冷えた状態だと振動にさらされやすくなるので注意が必要です。風の強い日に伐木を行うと、樹木が風に煽られ、想定していない方向に倒れる可能性があります。
足場が安定した場所で行う
不安定な場所でチェーンソーを使うのは危険です。もし斜面等でチェーンソーを扱う場合は、ハーネス等で体を固定し、両手がフリーになる状態(どこかにつかまらなくても立てる状態)にして作業を行いましょう。初心者は一人だと危険!
初めてチェーンソーを使用する場合は、経験者と一緒に使用しサポートしてもらいながら使用しましょう。チェーンソーの使い方
ここからは安全な使用方法を解説していきます。しっかり使い方を覚えて安全にチェーンソーを使用しましょう。使用前のチェックポイント
- チェーンソーのチェーンブレーキが効くか確認する
- チェーンオイルが出るか確認する
- チェーンオイルとエンジンオイルどちらも満杯になっているか確認
チェーンオイルとはチェーンソーの回転をスムーズにさせる潤滑油です。チェーンオイルが出ない状態で作業を行うと刃の磨耗や破断につながるため、空回しをしてオイルが出ることを確認してください。
使用時の服装について
ヘルメットと防護ズボン、ブーツは必ず準備します。服装をそろえる場合は、購入前に安全基準の確認も忘れずに!- ヘルメット:落石や木が落ちてきたときと自分が落下したときに頭を守ります。イヤマフが付いているタイプなら、疲れにくく難聴対策に。高音だけカットしてくれるので、作業員間の連絡は取れ、バイザーでおがくずを防ぐことができます。
- 防護ズボン・チャップス:チェーンソー用に作られた防護ズボン・チャップスは、誤ってチェーンソーの刃が当たったときに刃を止めてくれる特殊な繊維を使っています。チャップスはサイズをあまり選ばないので初心者におすすめです。脱ぎ着しやすいメリットがありますが、隙間から枝が入ったり引っかかりやすかったりするデメリットがあります。防護ズボンは脱ぎ着はしづらいですが、サイズが合っているぶん作業はしやすいです。
- 防護ブーツ:中に切れない繊維が使用されていて、その繊維でチェーンソーを動かなくします。作業中に気づきにくい危険から、脚を守ってくれます。
- トップス:防護服でもいいですが、視認性の高いウィンドブレーカー(長袖)などでもOKです。
- グローブ:チェーンソーの防振機能が向上しているので、防振機能が入っていなくても大丈夫です。軍手ではなく、革手袋がおすすめ。軍手は木やワイヤーに引っかかることがあり危険です。長時間使用する場合は防振機能のあるものにしましょう。
チェーンソーに関する服装の安全基準
防護ズボンとヘルメット、靴にはそれぞれ安全規格が設定されています。防護ズボンは「JIS T8125-2」、靴(安全靴)は「JIS T8125-3」に適合するかそれと同等以上の性能を有するもの、保護帽(ヘルメット)は「昭和50年労働省告示第66号」の型式検定の標章が貼付されているものを選びましょう。
参考:厚生労働省「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」
Step1. エンジンをかける
まずはチェーンブレーキが入っているかどうかを確認します。ブレーキが入っていないと突然刃が回り始め、危険です。朝一や休憩後はスイッチをオンにし、チョークを入れて、スターターロープを引きます(初爆)。そのあとはチョークを解除して、スターターロープを引けば作動します。エンジンをかけた直後にチェーンオイルが出ているか確認してください。
体勢は、チェーンソーを地面で固定する場合、左手でハンドルを抑えて右手でスターターロープを引きます。脚で固定する場合は、脚でチェンソーを挟んで固定し、左手でハンドル、右手でスターターロープを引きます。
力が弱い人でも比較的使用しやすいチェーンソーはこの後紹介します!
初爆とは
チョークから燃料を多く取り込み、エンジンを始動することを初爆と言います。エンジン式のチェーンソーの場合、最初に始動する際には「初爆」の確認が必要になります。長時間チェーンソーを使用しないとエンジンが冷えてしまい、シリンダー内の温度が低いことで、混合気が気化しづらい状態になっています。チョークは空気の吸入口を狭くすることで、シリンダー内に燃料をたくさん取り込み、エンジンを指導しやすくする機構で、さまざまなエンジンを搭載した機械に採用されています。
Step.2 対象物を切断する
エンジンがかかったら早速対象物を切断していきます。ここでは疲れにくく安全な姿勢と切り方を解説します。疲れにくく安全な姿勢
チェーンソーは手を使って持ちますが、腕だけで持ってしまうと疲れやすく、跳ね返りがあったときにも制御しづらくなります。できるだけ脚(太もも)などに乗せて支えるようにすると安定します。切り方
薪作りの場合は手頃な台などに対象物を乗せ、上から下に切っていきます。下から上へ切るのは危険なので行わず、横向きに切るのも慣れていない人はやらない方がベター。切るときは、チェーンソーを手だけで動かすのではなく、対象物に合わせて体全体を下げながら切っていきます。
基本的に上から下に切る時は特に力を加えず、重力に任せて切りましょう。切れない場合はチェーンソーの刃が痛んでしまっている可能性があるので、刃のメンテナンスを行ってください。
Step3. チェーンブレーキをかける
対象物を切り終わったら、チェーンブレーキを必ずかけてください。Step4. エンジンを止める
長時間使用しない場合はエンジン落とします。レバーを上げるなどしてすぐにエンジンを切れる製品が多いです。チェーンソーの危険な使い方
チェーンソーの使用で特に気をつけたい危険な使い方を紹介します。ちょっとの油断が事故に繋がるので、危険である理由もしっかりと理解しておきましましょう。キックバックとは?
キックバックとは、刃の先端が何かに当たったときに、自分に向かって跳ね上がる現象です。木材のキックバックする場所に刃を当てないように注意しましょう。 切り始めでキックバックポイントにが当たると、キックバックが起こってしまうので先端から切り始めないようにしてください。また、ゆっくり回した状態でもキックバックは起こりやすいので、しっかり刃を回転させて当てるようにしてください。肩より高い位置で使用する
肩より高い位置でチェーンソーを持ち上げるようにして使用するのは、キックバックが起きた場合にとても危険です。誤動作が起こりやすく、体勢を崩しやすいので絶対にやめましょう。片手で使用する
片手で使用するのも当然危険なのでやめましょう。「少しの間だけ…」というときに限って事故は起こります。刃の軌道上に自分の体を置く
勢いで刃が脚にぶつかることを防ぐため、刃の軌道上には脚など自分の体を置かないようにしましょう。周りの人も注意!
作業中の人に後ろから突然話しかけたり、切り終わった対象物が落下してぶつかるような場所にいたりしないようにしましょう。チェーンソーの保管方法とメンテナンス
チェーンソーを長持ちさせるために最適な保管方法です。故障した場合は購入店などで相談するのがベターです。ガソリンを抜く
キャブレーター内にガソリンが残っていると、ガソリンが揮発しエンジンオイルだけ残り故障の原因になります。チェーンソーを使用し終わったら、エンジンを再度かけて完全にガソリンが抜けるまでかけっぱなしにしましょう。
ソーチェーンをチェーンオイルにつけておく
ソーチェーンはチェーンソーの回転する刃に当たる部分です。ソーチェーンは錆びやすいため、チェーンオイルにつけておきましょう。空のペットボトルや瓶などにチェーンオイルを入れてつけておけばOKです!日常的なメンテナンス
目立てキットなどを購入し、バークランプでサイドバーを固定し、丸ヤスリなどでソーチェーンの刃を研ぎましょう。また、エアフィルターやソーチェーンを取り付けるガイドバーにゴミがたまりやすいのでエアーコンプレッサーなどで掃除してください。目立てについては下記の記事で解説!
置き場所
日当たり良い場所だとプラスティック部分が劣化してしまうので、直射日光の当たらない場所に置きましょう。プロがおすすめするチェーンソーメーカー
ここからはおすすめのチェーンソーメーカーを紹介します。チェーンソーには大きく分けて「リアハンドルタイプ」と「トップハンドルタイプ」の2種類があります。リアハンドルは一般的なタイプで、より馬力のいる作業に使用したい人におすすめです。トップハンドルタイプは軽量でエンジンがかけやすいため、初心者や力の弱い人におすすめです。もっと詳しくチェーンソーについて知りたい人は下記の記事をチェック!- スチール(STIHL):山林向けのエンジンチェーンソーはもちろんのこと、農林向けの製品も取り扱っており、製品のラインナップが幅広いのが特徴。通販などでは販売していないので、販売店で購入してください。
- ハスクバーナー:325年の歴史を持つスウェーデン・ストックホルムの会社です。世界60カ国で製品を販売しており、さまざまな園芸用品を展開しています。
- やまびこ(shindaiwa):国内のトップチェンソーメーカー。使いやすさと値段を追求したカジュアルシリーズなど初心者にもおすすめの製品が多いのが特徴です。
- マキタ(makita):バッテリー式を購入するならマキタがおすすめ。長時間の作業には向きませんが、竹藪の伐採や街中での簡単な作業などであればバッテリー式で十分です。