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赤しその効能・効果【管理栄養士監修】
しそは、日本の代表的な香味野菜のひとつです。その歴史は古く、和のハーブとして人々に親しまれてきました。しそには、赤しそと青じその大きく2種類があります。赤しそは梅干しを漬ける際などに使われることが多く、青じそは「大葉」としてもよく親しまれている食材です。赤しそと青じそでは、色や使用方法は異なりますが、含まれる成分には共通するものが多いです。抗菌作用や利尿作用、気持ちを安定させる作用などが期待できる
まず、しその大きな特徴として、独特の爽やかな香りがあります。この香りは「ペリルアルデヒド」と呼ばれる芳香成分によるもので、抗菌作用や食欲増進作用が期待されています。また、しそに含まれる「リモネン」や「ピネン」という成分には、発汗作用や利尿作用、気持ちを安定させる作用があるといわれています。この成分を上手に活用した事例として、加藤清正のエピソードがよく知られています。清正が朝鮮出兵をする時、兵士の気持ちが落ち着くように、しそを煎じたものを飲ませたそうです。この話から、しその作用は古くから経験的に知られていたといえるかもしれません。
アレルギー対策に効果が期待できる栄養素は?
赤しそと青じその大きな違いとして、赤しそには赤い色素「シソニン」が含まれています。シソニンは、高い抗酸化作用と防腐作用が期待できるのだとか。ある研究結果によれば、赤しそに含まれる「α-リノレン酸」には、アレルギー疾患を緩和する可能性があることが示唆されています。。参考:アトピー性皮膚炎に対するα-リノレン酸強化食療法の効果について:6例の外来通院児によるパイロットスタディー https://ci.nii.ac.jp/naid/130004370886
ビタミンやミネラルも豊富
このほか、赤しそにはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。昔は、庭先などで赤しそを育てている家庭も多く、夏の食卓によく登場する食材のひとつでした。しその名前の由来とは?「しそを食べたら命がよみがえった」って本当⁉
しそという名前は、中国の三国時代に由来しているという説があります。生死をさまようような重い食中毒にかかっていた少年が、旅をしていた医師からもらったしそを食べたところ、一命を取りとめたのだとか。「紫色の薬草を食べたら、命が蘇(よみがえ)った」という話から、「しそ」と呼ばれるようになったとされています。日本食では、しそは刺身に添えられることの多い食材のひとつです。こうした使い方からも、古くから「しそには解毒作用がある」ことが知られていたといえそうです。
赤しそは漢方薬では「蘇葉」「紫蘇子」
赤しそは漢方薬でも使われる素材です。赤しその葉を乾燥させたものは「蘇葉(そよう)」と呼ばれ、食欲増進や毒消し、自律神経の調整などに使われています。種を乾燥させたものは「紫蘇子(しそし)」と呼ばれ、消化不良や発熱・悪寒などの症状に使われています。参考:https://takeda-kenko.jp/kenkolife/encyclopedia/illustrated/soyou.html
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赤しそでシロップを作って、しそジュースを飲んでみよう
目の覚めるような真っ赤な色合いが美しい、赤しそジュース。夏の暑さで疲れた体を、目からも口からも癒してくれる保存食のひとつです。いろいろな作り方がありますが、今回は甘さ控えめのしそシロップとしそジュースの作り方をご紹介します。赤しその旬はいつ?
赤しそが出回る時期は、6~7月頃。ハウス栽培なども多く一年中出回っている青じそとは異なり、入手できる時期が限られています。「赤しそを使っていろいろな保存食を作りたい」という場合には、この時期に赤しそをまとめて仕入れておきましょう。家庭菜園での栽培方法はこちらをチェック
赤しそはコツをつかめば、きれいな葉をたくさん収穫することができます。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。しそシロップの作り方
しそシロップは、途中で酢を加えることにより、鮮やかな赤色に変わります。色が変化していく様子は、何度見ても神秘的だなぁと感じます。科学実験をするような感覚で、子どもと一緒に手作りするのもおすすめです。〈材料〉作りやすい分量
・赤しそ 300g
・水 2L
・てんさい糖 300g
・酢 1カップ
作り方
1.赤しその葉を水できれいに洗う。鍋に入るように、茎を適度な長さに切っておく。2.鍋に1の赤しそと水を入れて火にかける。沸騰したら弱火にして、5~10分煮出す。
3.2をザルなどでこして赤しその葉を取り除き、煮汁を鍋に戻す(赤しその葉は軽く絞って、その煮汁も鍋に加える)。
4.3の鍋にてんさい糖を加えて溶かす。てんさい糖が溶けたら、酢を加えて全体を混ぜる。
5.粗熱が取れたら、清潔な保存瓶に入れて、冷蔵保存する。
ポイント
・酸味が苦手な人や子ども用には、酸味がマイルドなりんご酢を使用するのがおすすめです。・酢の代わりに、クエン酸を使うこともできます。酢1カップに対して、クエン酸10gを目安に使用します。
・砂糖控えめのレシピで作る場合には、雑菌が入らないように気を付けて保存する必要があります。より確実に長期保存したい場合には、てんさい糖の量を500g程度に増やすか、2の工程で煮詰める時間を長くしてください。
しそシロップの活用法|ジュースやデザート作りにも
できあがったしそシロップは、水や炭酸水で3~5倍に薄めれば「しそジュース」になります。ゼリーなどデザートを作る時に少量加えて、独特の風味や鮮やかな赤色を楽しむのもおすすめです。しそシロップは、イギリスの伝統的な飲み物「ハーブコーディアル」にもよく似ていると個人的には感じています。ハーブコーディアルとは、ハーブや果物に砂糖などを加えて作るノンアルコール飲料のこと。
各家庭独自のレシピがあり、お湯やハーブティーなどお好みのもので割ったり、おばあちゃんの知恵や民間療法などで使われたりしています。しそシロップを、ハーブコーディアルを使うような感覚でいろいろな飲み物に加えてみるのもおいしいです。
砂糖なしで作れる「しそ茶」もおすすめ
「砂糖を使わないで赤しその保存食を作りたい」という人におすすめなのが、しそ茶です。そのまま飲むだけでなく、ブレンドしてもおいしいです。赤しそが大量に手に入ったら、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。しそ茶の作り方
しそ茶はとても簡単に手作りできます。作り方は、赤しそをきれいに洗った後、葉を茎から外して天日でカラカラになるまで乾燥させるだけ。できあがったしそ茶葉は、保存容器に入れて高温多湿を避けて保存します。しそ茶葉1~2枚に熱湯1カップを加えて数分待てば、しそ茶のできあがり!しそ茶はブレンドしてもおいしい!
しそ茶はブレンドして楽しむのもよく合います。写真は、しそ茶葉にハイビスカスをブレンドしたもの。しそ茶はやや濁った色合いですが、ハイビスカスが加わることで、鮮やかな赤色のお茶になります。ハイビスカスの酸味と赤しその香りが混ざり合い、何ともいえない絶妙な味わいです。以前にメニュー監修でお世話になっていたカフェの夏のメニューでも提供していましたが、「夏の乾いた身体が潤う」「鮮やかな見た目で元気が出そう」と大変好評でした。ほかにもある!赤しその簡単おいしい養生ごはん
赤しそを使った保存食は、しそシロップやしそ茶だけでなく、ほかにもたくさんあります。保存食を作って、独特の香りを好きな時に自由に楽しみたいですね。しそ酒
お酒が好きな人には、しそ酒はいかがでしょうか。作り方は、きれいに洗った赤しそにホワイトリカーを加えて、数カ月待ちます。お好みで、氷砂糖やはちみつと一緒に漬け込むと飲みやすくなります。赤しその酢漬け
赤しその酢漬けは、おにぎりを包むのにもぴったりです。赤しそを刻んでちらし寿司や和え物に加えたりしてもおいしいです。赤しその酢漬けは、きれいに洗った赤しそを保存容器に入れて、しっかり浸かる量の酢を加えます。酢に赤しその色が移るまで、数日間待てばできあがり。私自身も毎年作っており、特に夏のお弁当づくりに重宝しています。赤しそのふりかけ
赤しそを使った定番レシピのひとつ、ふりかけ。作り方は、梅干しを漬けた後の赤しそを天日で乾燥させ、ミルサーなどで砕けば完成です。梅干しを作っている方は、赤しそのふりかけも一緒に手作りしてみてはいかがでしょうか。赤しその保存食を作って、一年中健やかに過ごそう
抗菌作用や食欲増進作用だけでなく、アレルギー症状の緩和作用なども期待されている赤しそ。人々に古くから利用されてきた歴史を持ち、代表的な和ハーブのひとつです。赤しそを使った保存食は、しそシロップやしそジュース、しそ茶だけでなく、しそ酒や酢漬けなどいろいろなバリエーションがあります。赤しそがたくさん手に入ったら、ぜひ簡単おいしい養生ごはんを作ってみてはいかがでしょうか。おばあちゃんの知恵を活用しよう!バックナンバーはこちら
おばあちゃんの知恵栄養監修 宮崎奈津季
管理栄養士、薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。レシピ開発、商品開発、レシピ本の栄養価計算などの経験あり。現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。