目次
雨水タンクとは?
雨水タンクは、屋根から雨どいに流れた雨水を、途中で取水して貯めておくタンクのこと。多くはポリエチレン製で、50L程度のものから、大きいものでは数100L程度のものまでバリエーションがあります。デザインも、シンプルな円筒形をはじめ、ガーデニングにぴったりのおしゃれな陶器製、なかには本物のお酒の樽を再利用した木製の商品もあります。貯めた雨水を使うときは、タンクの下部に設置した蛇口をひねるだけ。誰でも簡単に使えます。
雨水タンクを使うメリット・デメリット
簡単に雨水を使用できるようになる雨水タンク。災害に備えられたり、エコライフに貢献できたりする一方、十分使用できるほど雨水がたまらなかったり、広いスペースが必要になることもあります。メリット・デメリットを併せてご紹介しますね。メリット
1. 水道のない場所で水が使える
家庭菜園を楽しむ方の悩みにあがるのが水の確保です。ポリタンクに水を汲んで畑に保管する方法もありますが、ポリタンクの運搬はかなりの重労働。雨水タンクが菜園にあれば、雨水さえ貯まれば自由に水を使うことができます。夏場のニンジンの種まきでなかなか芽が出ずお悩みの方は、雨水タンクの水でたっぷり水やりしてみてくださいね。水道水と違って塩素なども含まれていないのも、雨水利用のメリットです。2. 水道代を節約しながらエコライフにも貢献
雨水を有効活用することで水道代の節約になるのはもちろんですが、それだけではありません。地上に降り注いだ水は、蒸発してふたたび雨となり、絶えず循環しています。水資源である雨水を暮らしの中に上手に取り込むことで、貴重な水資源の節約につながります。普段の暮らしでも、節水の意識が芽生えるかも。3. 災害のときにも安心
地震などの自然災害で、水道が止まってしまった…。このようなときも、雨水タンクの水をトイレや掃除などの生活用水として活用できます。また火災発生時は初期消火が大切。雨水タンクの水は防火用水としても役に立ちます。デメリット
1. 必ずメンテナンスを
せっかく購入した雨水タンクも、適切にメンテナンスをしないとトラブルが発生してしまいます。コケやボウフラなどが発生する場合がありますので、定期的にタンク内の水をすべて抜き、丁寧に清掃しましょう。→タンクの洗浄には高圧洗浄機がおすすめ
2. スペースが必要
100L程度の雨水タンクでもそれなりの大きさになります。菜園に設置すると、そのぶん栽培スペースが少なくなってしまいます。栽培の邪魔にならないところに設置しましょう。事前に、雨水タンクの影で野菜の生育が滞らないか、清掃時の水の排水場所があるかも考慮しましょう。3. 雨を集めるしくみの工夫を
菜園に雨水タンクを置くだけでは雨水はなかなか貯まりません。そこで、雨水を上手に集めるしくみが必要になります。ちょっとした作業になりますが、例えばトマトの雨除けビニールトンネルの横に雨どいを取りつけて水を確保する、なんて方法もあります。また、水圧が低いので、ホースをつなげるにはポンプなどが別に必要です。雨水タンクの選び方
「雨水タンクを設置したいけど、購入時に何に気をつけたらいいかわからない…」なんて方も多いですよね。雨水タンクを購入したことがない方必見の、最低限チェックしておきたいポイントをご紹介します。容量(サイズ)を決める
設置スペースや用途によって、雨水タンクのサイズを選ぶのがおすすめ。家庭菜園やガーデニングに使用するなら、スペースをあまりとらない100L 前後のものを、災害に備えるなら200~300L程度のものを選ぶと良いでしょう。集水器を確認
集水器は雨水をタンクに溜めるために必要なものです。ほとんどの雨水タンクには集水器がついていますが、一部ついていないものもあるので、確認必須。自宅の雨どいのサイズ、形状と欲しい雨水タンクのものが一致するかを調べる必要があります。ドレンロ・ゴミ除去フィルターを確認
ドレン口とは、堆積した砂などの、雨水タンクの底にたまった細かいごみを排出する部分のことを指します。ドレン口やごみ除去フィルターがないと、タンク内部を定期的に掃除する手間がかかるため、確認しておくと良いでしょう。溢れた時の仕様をチェック
溢れたときの対策方法は、メーカー・機種によってさまざま。溢れた分の雨を雨どいに戻して、そのまま流すタイプや、タンク上部についた口から自動排出されるタイプなどがあります。仕様によっては、別のタンクにホースなどで繋いて溜めることもできますよ。おすすめの雨水タンク12選
雨水タンクの選び方がわかったところで、ここからは雨水タンク12製品をご紹介します。サイズや溢れた際の仕様が異なるものをご紹介するので、みなさんにぴったりの雨水タンクが見つかるかも!1. 折りたたみ式で収納もできる
・容量:200L
・サイズ:直径60×高さ65cm
・材質:高品質ポリ塩化ビニル
散歩中近くの家で雨水タンクを見つけて早速購入して庭に設置しましたが、なかなか雨が降らす、先日の雨ではあふれるくらいでした。我々は畑の水やりに便利と購入しましたが、娘に非常時にとても役立つと言われ納得しました。設置にも苦労せず、できて安価で助かりました。
出典: Amazon
2. スリムな形状で省スペース!
・容量:約300L
・サイズ:幅58×奥行37×高さ182cm
・材質:高密度ポリエチレン
・対応する雨どい:60φ雨とい、60角雨とい(上フタを切り取り加工する必要あり)
3. おしゃれでデザイン性の高い雨水タンク
・容量:450L
・サイズ:直径85×高さ110cm
・材質:オーク
・対応する雨どい:丸ドイ75mm
4. お庭で目立たず馴染みやすいデザイン
・容量:250L
・サイズ:幅75×奥行51×高さ117cm
・材質:超高分子量ポリエチレン
・対応する雨どい:丸トイ55mm・60mm、角ドイ60mm
250Lの容量には満足しています。台風19号にもびくともせず、花の水やりに使用しています。。とても安定して
とてもいいと思います。非常用にも使えそうです。デザインもとてもいいです。
出典: Amazon
5. コンパクトでガーデニングにぴったり
・容量:80L
・サイズ:幅88.7×奥行35×高さ46.3cm
・材質:ポリエチレン
・対応する雨どい:丸たてどい/55mm・60mm
取付も簡単だし、ちょっと花壇に水を撒く程度ならば、無補給状態で大丈夫だし!
便利、便利!
出典: Amazon
6. カラーバリエーション豊富な雨水タンク
・容量:200L
・サイズ:幅80×奥行64×高さ58cm
・材質:ポリエチレン
黒色の200L購入 早い配送で タンクも丈夫そうです 口一杯近く 水を入れても 水漏れもなく 安心しました 良い商品だと思います
出典: Amazon
7. イギリスの庭を彷彿とさせるデザイン
・容量:200L
・サイズ:幅68×奥行90×高さ118cm
・材質:高密度ポリエチレン
8. 水が入れ替わりやすくきれいをキープ!
・容量:150L
・サイズ:幅60×奥行60×高さ120cm
・材質:高密度ポリエチレン
・対応する雨どい:丸ドイ55~60mm・76mm、角ドイ60mm
9. 藻が発生しにくい!
・容量:150L
・サイズ:幅75×奥行37×高さ110cm
・材質:ポリエチレン
・対応する雨どい:パナソニック製PC30、S30、60、メタリック調たてとい60
デザインはシンプルで実用的です。スリムなタイプなのでお隣さんとの間の通路にも置くことができました。パナソニック製で樋と同じメーカーなので、樋との接続キットも同じ色でばっちりです。設置も簡単でした。地面がコンクリートではなかったので、ウッドデッキを設置した際の残りのはねつき束石を埋めてチェーンで固定しました。夜に降った少しの雨でも満タンに溜まりました。ガーデニングを楽しんでいます。
出典: 楽天市場
10. 安い&大容量でコスパ◎
・容量:約185L
・サイズ:直径58×高さ83.5cm
・材質:ポリエチレン樹脂
・対応する雨どい:丸トイ25mm
農業用のタンクはイマイチ!かといってお洒落な雨水タンクは高価なので躊躇していました。
手頃な価格で取水器まで付いているのが選択理由です。
セキスイハイムの特殊形状の樋だったので変換アダプターを使って樋の1mほどを60mm丸型樋替えて取水器を付けました。
井戸水を入れて漏れを確認しましたがまったく異常なし。
タンクが満水時の樋への逆流も確認できました。
もう一個追加注文を検討中です ^^);
出典: Amazon
11. 丈夫でコンパクトな雨水タンク
・容量:140L
・サイズ:幅60×奥行36×高さ99cm
・対応する雨どい:丸ドイ60mm、角ドイ60mm
スタイリッシュな本体で庭においても違和感なく収まります。コンパクトなボディから想像できない大容量で140リットルの雨水が貯められます。通常の灯油ポリタンク7個分以上の雨水が貯められるので庭の散水はもちろん、災害時のトイレ用などにも役立ちそうです。国内製造の安心感と、材質の良さで保管中の雨水への藻の発生も抑えられそうです。短期間の使用のため、長期間の屋外での劣化が分かりませんが、取説の説明では10年以上の信頼性があるようです。蛇口など小物部品が破損した場合、ショップで注文できる体制があり、長期の使用に安心感があります。地球環境に優しい暮らしに役立ちます。
出典: Amazon
12. デザイン抜群の雨水タンク
・容量:230L
・サイズ:直径59×高さ104cm
・材質:ポリエチレン
・対応する雨どい:丸トイ27mm
雨水タンクを徹底比較!
上記でご紹介したおすすめ雨水タンク12製品を比較表にまとめました。容量やサイズ、材質など気になる部分を比較できるようになっているので、ぜひ購入時の参考にしてくださいね。製品名 | 容量(L) | サイズ(cm) | 材質 | 対応する雨どい |
1. 家庭用 雨水タンク 大容量200L | 200 | 直径60×高さ65 | 高品質ポリ塩化ビニル | – |
2. グローベン スリムタンクセット C20GR300 | 300 | 幅58×奥行37×高さ182 | 高密度ポリエチレン | 丸トイ60mm、角トイ60mm(上フタを切り取り加工する必要あり) |
3. ウイスキー樽雨水タンク 樽王500 | 450 | 直径85×高さ110 | オーク | 丸ドイ75mm |
4. コダマ樹脂工業 雨水利用タンク ホームダム RWT-250 | 250 | 幅75×奥行51×高さ117 | 超高分子量ポリエチレン | 丸トイ55mm・60mm、角ドイ60mm |
5. タキロン (takironn) 雨音くん 80リットル | 80 | 幅88.7×奥行35×高さ46.3 | ポリエチレン | 丸たてどい55mm・60mm |
6. スイコー ホームローリータンク 200L | 200 | 幅80×奥行64×高さ58cm | ポリエチレン | – |
7. 英国製雨水タンク200L | 200 | 幅68×奥行90×高さ118 | 高密度ポリエチレン | – |
8. レインハーベスト(RainHarvest) 150リットル | 150 | 幅60×奥行60×高さ120 | 高密度ポリエチレン | 丸ドイ55~60mm・76mm、角ドイ60mm |
9. パナソニック レインセラー 150 | 150 | 幅75×奥行37×高さ110 | ポリエチレン | パナソニック製PC30、S30、60、メタリック調たてとい60 |
10. 安全興業 雨水タンク 185L | 約185 | 直径58×高さ83.5 | ポリエチレン樹脂 | 丸トイ25mm |
11. まる140L | 140 | 幅60×奥行36×高さ99 | – | 丸ドイ60mm、角ドイ60mm |
12. タカショー グラニット ラウンド サンド | 230 | 直径59×高さ104 | ポリエチレン | 丸トイ27mm |
雨水タンクの使い方
「流せば洪水 貯めれば資源」ともいわれる雨水。使わなければもったいないですよ!雨水タンクで貯めた雨水は、生活のさまざまなシーンで活用できます。まずは家庭菜園の水やりに
降水量が増える夏場は、野菜や草花たちがたくさんの水を必要とする時期でもあります。特に、ナスやキュウリは水が大好きな野菜。たっぷりあげておいしい野菜を作りましょう。ただし、夏場は水温が下がってから水やりしてくださいね。鎌や鍬、スコップ、長靴など道具のお掃除や、種まきのときの水やりにも活躍します。観葉植物の水やり、洗車にも
庭の植物への水やり、洗車など、大量の水を使うシーンで使えば、水道代の節約が期待できます。おしゃれな木製の樽型や、陶器製のタンクはガーデニングのアイテムとしてもぴったり。地震、豪雨、台風…災害時に役立つ雨水タンク
東日本大震災や豪雨など、近年各地で自然災害が発生し、水道や電気といった社会インフラに大きな被害が発生しているのはご存知の通り。緊急時には自治体から飲料水の配給がありますが、状況によっては時間もかかるし、配給量も限定されがち。こんなとき、雨水タンクがあれば安心!トイレや食器の洗浄などの生活用水に、雨水タンクの水を活用しましょう。濾過する方法はさまざまですが、雨水を浄化して飲用にできる携帯用浄水器などのアイテムを活用するのも手です。ちなみに東京都墨田区では、区が設置した「路地尊」と呼ばれる雨水タンクが街中に設置されています。雨水タンクが、暮らしの防火用水としての役割も担っているのですね。雨水タンクでボウフラ対策!?
家庭菜園やガーデニングで、夏に必ず悩まされるのが「蚊」。蚊は、下水溝や空き缶、古タイヤなど、水があるところであればどこへでも産卵します。やがて幼虫である「ボウフラ」が沸き、ますます蚊が増えてしまいます。ところが雨水タンクがあれば、雨水がタンク内に流れ込むため水たまりが少なくなり、ボウフラの発生が軽減されるのです。ただし、雨水タンクと配管パイプなどのつなぎ目に隙間があると、蚊が侵入しボウフラが沸く可能性があるので注意。隙間には目の細かいネットを張るなどして蚊の侵入を絶つようにしてください。雨水タンクのメンテナンス方法
フィルター掃除
屋根を伝ってきた雨水には、落ち葉などのゴミが含まれていることも。雨水タンクにゴミが混ざらないよう、取水装置に取り付けてあるフィルターは半年に一度程度取り外し、水洗いして汚れを落としましょう。配管のメンテナンス
フィルターと同時に配管にゴミの詰まりがないかも要チェック。さらに配管の接続部分に隙間があると、蚊が雨水タンク内に侵入しボウフラが発生する原因に。接続部分はネットやテープで密閉します。蛇口の掃除
蛇口のお手入れもお忘れなく!スムーズに水が流れるよう、ていねいに清掃しましましょう。雨水タンクをDIY!自作方法を紹介
DIYが得意な方なら、ポリバケツやドラム缶を使った雨水タンクを自作してみるのはいかがでしょうか。写真の雨水タンクは、輸入食品の空き容器を使って自作したものです。インターネットで検索すると様々な方法があるので、ぜひ試してみてくださいね。雨水タンクの補助金・助成金情報
自治体によっては、雨水タンクの設置に助成金を支給してくれるケースも。一定の容量以上であることや予算が限られているなど条件もありますが、雨水タンクを賢く導入するチャンスです!条件は各市町村や時期によって異なります。また、領収証の記入方法が指定されることもありますので、購入前に必ずお住まいの市区町村へ問い合わせてくださいね。
例)
自治体 | 条件 | 受けられる助成金 |
東京都新宿区 | 容量が100L以上 設置費の約20% | 上限2万円 |
東京都小金井市 | 本体価格の50%以内 | 上限3万円 |
大阪府豊中市 | 容量が80L以上 雨水貯留タンクの購入費(消費税・設置費等含まず)の50% | 1基に付き上限3万円(千円未満は切り捨て) 1基のみの場合は上限2万円 |