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畑や地植えでの栽培方法はこちら
大葉栽培の監修は、プランター野菜栽培家の安藤康夫さん
プランター野菜栽培家。自宅のベランダと屋上のプランターでさまざまな野菜や果樹を栽培し、50品目達成。栽培の様子や採れたて野菜を使った料理などを、「Hanna-papaの菜園日記」にて発信しています。現在は、プランターの限られた土の量で、どれだけ高品質な野菜が育てられるかを探求中!
関連サイト
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2019年5月以前のブログ 「Hanna-papaの菜園日記 2」
著書
『プランターで有機栽培1』(農文協)
『プランターで有機栽培2』(農文協)
大葉(シソ)のプランター栽培の特徴と収穫時期
シソは、大葉と呼ばれる緑色の葉の「青ジソ」、赤紫色の葉の「赤ジソ」に大きく分けられます。さらに、葉の表面が平らな「平葉」や、葉に縮みが多い「ちりめん」などの種類もあります。どんな種類のシソも栽培時期や育て方はほとんど変わりませんが、葉を摘み採りながら株を育てる大葉(青ジソ)に対し、赤ジソは株ごと抜き取って収穫するのが特徴です。大葉の栽培時期
・種まき、育苗:4~6月・植え付け:5月中旬~7月
・収穫:6~11月
※年間平均気温が12〜15℃の温暖(中間)地基準
大葉栽培に最適な温度
大葉の栽培適温は、20~25℃。大葉は20℃以上の温度がないと発芽しないため、暖かくなってくる5月になってから種まきをしましょう。室内でのプランター栽培なら、4月から始められます。赤シソの魅力!関連記事はこちら
大葉栽培に最適なプランターの置き場所
プランターは、日当たりや風通しの良い場所に置きましょう。生長を促すほか、病気にもなりにくくなります。真夏の日差しは葉を硬くしやすいので、遮光ネットを張るか半日陰で育てましょう。遮光ネットについての関連記事はこちら
プランターを室内に置く場合
南向きで太陽光があたる窓辺で育てましょう。ただし、大葉は背丈が60cm程度の大きさになるので、じゃまにならない場所にプランターを置くようにするといいですよ。プランターで育てやすい!大葉のおすすめ品種
生育旺盛で収穫量が多く、プランターで育てやすい品種は「青ちりめんシソ」。葉はちりめんタイプで、やわらかくておいしい大葉です。青ちりめんシソのおすすめの種
大葉(青ジソ)と赤ジソは、同じプランターで育てられる
大葉と一緒に育てると、良い共生効果が出るといわれるコンパニオンプランツは、なんと赤ジソ!お互いの害虫を寄せ付けない組み合わせで、1つのプランターで一緒に育てても、プランター同士を隣に置いても効果的です。コンパニオンプランツについての関連記事はこちら
大葉栽培にぴったりのプランターの大きさ・必要な土・肥料など
大葉栽培にあったプランターのサイズ、土や肥料を確認しておきましょう。また、支柱があると株が安定するため、支柱も用意しておくのがおすすめです。大葉を1株育てるのに最適なプランター
・A:直径24cm・B:高さ20cm程度
直径が24cmある8号以上の大きさのプランターが理想です。
1株ならプランターの代わりに牛乳パックを使っても育ちます。水がたまると根腐れするので底には穴をあけておきましょう。
おすすめのプランター
・サイズ:直径14.5×高さ13.5cm
・容量:1L
色が綺麗なグリーンで、軽くて管理しやすいです!植物を植えて屋外においていると、雨の日が続き、通気が良いかは まだ分かりませんが 使いやすくお安かったので また是非購入したいです!
出典: Amazon
大葉を2株育てるのに最適なプランター
・A:幅65cm以上・B:奥行20cm以上
・C:深さ20cm以上
1つのプランターで2〜3株育てるなら、長辺65×短辺20×高さ20cmある長方形の65型以上のものを準備しましょう。おすすめは2株で、植え付ける場合の株間は20cm。3株植える場合は15cmです。
大葉のプランター栽培に必要な支柱のサイズ
育てる大葉の株1つに対して、60cmの支柱を1本準備します。大葉の茎を支えることで、わき枝が生長していっても株が安定します。おすすめの支柱
大葉のプランター栽培に適した土
大葉はあまり土を選ばないので、一般的な野菜用培養土でOKです。肥料入りのものを選べば、元肥は必要ありません。おすすめの土
・容量:12L
初心者で、もしくはどう扱っていいかわからない植替え作業で、
肥料の割合や配合など難しいことを考える手間と時間を省略して、
サクサク作業を進めるにはとても便利。
花や苗の付き具合もいい。
宅配で手に入ると、買い物の時間と手間、重いものを持ち運ぶ労力を
作業エネルギーに持っていけるので助かっている。
出典: Amazon
大葉のプランター栽培に適した肥料
大葉への追肥には、チッ素分が多く含まれている油かすがおすすめです。おすすめの肥料
・容量:2.5Kg
これを使ってから、まだ日が浅いですが突然植物の成長が良くなりました。
色々な大きさの粒が入っているので一袋で大鉢から小鉢まで使えます。
硬くて崩れにくいので霧吹きの中に入れて吹いたりしてます(本当は詰まるから駄目なんですが)
春だからかもしれませんが(今日の東京は22℃)ビカクの葉が50㎝以上に伸び
レモイネイの貯水葉が急激にに育ち始めました。
良いものが見つかって良かったと思います。
出典: Amazon
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プランターでの大葉の栽培方法|種まき・苗の育て方・収穫のコツなど
大葉の種は1mm程度。とても小さい大葉の種をプランターにたくさんまいてしまうと、間引きが大変です。まずはビニールポットに種まきをして育苗してから、プランターに植え替えましょう。苗を購入するなら、葉に艶があり茎がしっかりしているものを選びます。Step1. ビニールポットへの大葉の種まきと育苗
- 口径7.5cm程度のビニールポットに、種をぱらぱらとまきます。大葉の種は光に当たったほうが発芽しやすいので、種まき後は土に埋めずに手で土になじませる程度でOKです。
- いくつか発芽してきたら、生育の良い芽を残して間引きしながら、本葉が1枚出るまで育苗します。
くさび形の小さな穴がつながったセルトレイを使うなら、一番細目のタイプに種を1粒ずつまいて育苗しても育ちます。
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Step2. 土の準備と大葉の苗の植え付け方
苗を植え付けるタイミング
日中の外気温が20℃を超え、本葉が1枚出たらプランターに苗を植え付けましょう。プランターと土の準備
プランターの底から5cm程度の高さまで鉢底石を敷き、その上から、プランターの8割ほどの高さまで培養土を入れます。プランターの上部2割程度は、ウォータースペースとして確保しておきましょう。▼鉢底石についての関連記事はこちら
大葉の苗の植え付け方
- プランター内の土に穴をあけます。根を痛めないように、苗を土ごとビニールポットから取り出し、プランター内の土と苗の土の高さをそろえるように穴へ埋め込みます。
- プランターの底から水が滴るほどたっぷり水をあげます。植え付け後すぐは、水道のホースで水やりすると苗が倒れてしまうこともあるため、ジョウロを使うか、ホースのノズルをミスト(霧)にするのがおすすめ。
土の乾燥を防ぐには敷きわらが最適!
大葉は乾燥に弱いため、敷きわらがあれば株元の土を覆いましょう。病害虫の発生や雑草が生えてくるのも防げます。
Step3. 水やりは、葉の裏にもしっかり
1日1回、盛夏は朝夕の2回行います。害虫がついていることもあるので、葉の表面だけでなく裏面もシャワーで洗い流すように水やりするのがポイント。水切れをおこすと、すぐに葉が硬くなったり萎えたりします。一度硬い葉になってしまうと水を与えても元には戻らないので、忘れずに水やりしましょう。
Step4. 支柱を立てて、枝を誘引する
大葉は自立しますが、強風で株が倒れてしまわないように、台風の時期が来る前に先回りして支柱を立てておきましょう。茎を固定しておけば、わき枝の生長も良くなり、大葉の収穫量が増えますよ。株の背丈が30~40cmを超えたら、苗から少し離れたところにまっすぐに支柱を立て、茎を傷つけないように麻ひもを使って八の字結びにして固定します。写真は別の野菜のものですが、ひもの結び方は同じなので参考にしてくださいね。
Step5. 大葉には追肥を忘れずに
収穫が始まったら、10日に1回程度の頻度で油かすを半握りほど与えます。大葉は、ほかの葉物野菜に比べると肥料は多め。次々と葉を収穫するため、肥料を与えないと葉が出てこなくなります。しかし、反対に与え過ぎると害虫がつきやすくなり、根が焼けて枯れてしまうこともあります。上記の頻度と量を目安にしながら、株の生長にあわせて調整しましょう。
追肥と合わせて増し土しよう
土の表面に根が浮いているのが見えたら、増し土をします。追肥のタイミングであれば、油かすを半握りほど一緒に混ぜると良いでしょう。肥料の入った培養土を増し土するなら、追肥は混ぜなくても大丈夫です。Step6. 収穫を兼ねて、摘芯(摘心)しよう!
大葉は、先端の生長点を摘み取る摘芯を行わなければ、葉数が増えません。できるだけ摘芯をするようにして収穫し、葉の数を増やしていきましょう。同じシソ科のバジルも同じです。バジル栽培についての関連記事はこちら
プランター栽培で、大葉の芽・穂・実も収穫できる!
プランターで育った大葉は、葉だけでなく、芽や穂、実まで収穫が可能!それぞれの収穫のタイミングやコツを知って、さまざまな料理に活用してみましょう♪「芽」の収穫
種まき後、葉が1~2枚出た状態の間引きした芽は、芽シソとしてお刺身と一緒に食べるのがおすすめ。芽シソははさみで株元を切り取り取るように収穫すると、根ごと引き抜くより土がつかないので食べやすいですよ。「葉」の収穫
株の先端にできた一番おいしそうな葉の付け根を、はさみか指で切り取るようにして収穫します。大葉は生長が速いので、摘心するように先端を収穫しても、あっという間に葉が増えていきます。葉が混みあうと通気性が悪くなり虫がつきやすくなったり、穂が出ると葉が硬くなったりするので、おいしい葉を長く楽しみたいならこまめに収穫しましょう。
葉がなくなるほど採り過ぎてしまうと光合成ができなくなり、収穫もできなくなるので注意してくださいね。
「穂」の収穫
摘芯をせずに生長した、穂や花もおいしく食べられます。摘み取った穂は料理の飾りとして使うだけでなく、天ぷらや塩漬けにして食べるのもおすすめ!「実」の収穫
大葉はプチプチとした実を収穫することもできます。葉の勢いがなくなってきたら、穂を切り取らずにそのままにしておきましょう。花が咲き終わってしばらくすると、実が膨らみ始めるので収穫します。たくさん採って、塩漬けやしょうゆ漬けにすれば保存食にもなりますよ。タイミングは株が衰えたら!大葉栽培後の片付け
収穫がひと段落し、株自体の生長が衰えたら根ごと株を抜いて片付けます。使用した培養土は、ふるいにかけた後、堆肥を10~20%ほど足して再利用します。プランター栽培で大葉の株を増やしたいときは
カットした大葉の茎を挿し穂にして増やす
摘芯した茎などを水につけておくと、1週間程度で発根します。発根した茎をプランターに植え付けると株を増やせます。自然にこぼれ落ちた種から発芽したものを植え替える
穂をすべて切り取らずに残しておくと、枯れた穂から種が自然に落下し発芽します。ただ、その株は葉が硬く香りがない大葉になることも、とてもおいしい大葉になることもあるので、どちらになるかは育ててみないとわかりません。おいしくてやわらかい大葉を翌年もできるだけ収穫したい場合は、市販の種から育てた方が無難です。どちらにしても同じプランターでそのまま育てるのはおすすめできないので、本葉が出るのを待って、新しい土に植え替えましょう。