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設備も土地も人材もシェア!? 農業分野の「シェアリングサービス」【SMART AGRI連携企画】


ICTやロボット、AIなどを活用した次世代型の農業などの幅広い情報を紹介している「SMART AGRI」。先進的な情報や専門的なコラムなど、豊富なコンテンツが魅力的なサイトです。今回は人口減少が進む中、農業の分野におけるシェアリングサービス。畑、農機具、人材まで、共有の考え方で注目されているサービスをご紹介します。
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出典:写真AC

ICTやロボット、AIなどを活用した次世代型の農業などの幅広い情報を紹介している「SMART AGRI」。先進的な情報や専門的なコラムなど、豊富なコンテンツが魅力的なサイトです。
今回は「SMART AGRI」との連携企画第6弾として、「AIを活用した未来の農業像」について教えていただきました!

SMART AGRI(スマートアグリ):農業とITの未来メディア

総務省が発表した人口動態調査によれば、2019年1月1日時点の日本の人口は、前年比約43万人減の1億2477万6364人だった。農業の担い手不足も急速に進んできていることは間違いない。

「スマート農業」という言葉が取りざたされるようになった最大の理由も、人材不足や生産者の高齢化により、農作業自体が続けられなくなってきたことだ。そのために、ドローンやAIを用いて、いかに効率的に、少人数で、農作業を行えるかがカギになっている。

そんな中で別の角度から注目されているのが、農業における「シェアリングサービス」だ。個人で勝手に譲り合ったりできない「農地」、高額で購入した「農機具」、最も深刻な「農業従事者」など、さまざまなリソースをITなどの技術を用いて共有できるようになってきている。

今回はそんな農業分野で進むシェアリングサービスをご紹介しよう。

農業関係人口の拡大にもつながる「シェアグリ」

シェアグリのイラスト
引用:シェアグリ
「日常に農業という選択肢を」というミッションを掲げているのが「シェアグリ」という農業人材マッチングサービスだ。学生や主婦など、手伝いたい人が「シェアグリ」に登録し、生産者側は1日単位で募集できるという仕組み。人材募集の掲載は無料となっている。

生産者が繁忙期の人手を獲得できることが最大のメリットだが、裏を返せば、農業に従事したいと考えている人が、積極的に農業に参加できるということでもある。農業関係人口を増やすという意味でも有意義なサービスと言える。

家庭菜園などで農業に触れた人が、より本格的な農業に携わるために利用してもいい。人材不足の裏で、農業や有機野菜などに興味を持つ人は増えており、両者の要望を満たしていける、将来の展開も楽しみなサービスだ。

参考:シェアグリ

手ぶらで通える農園シェアサービス「シェア畑」

引用:シェア畑
「シェア畑」は、農地や遊休地を貸し農園としてレンタルできる、農地シェアリングサービスだ。

生産者にとっては、相続したものの活用できない農地やそのままでは耕作放棄地になってしまう農地を、市民農園として貸し出すことで農地のまま維持できる。開設や運営については運営元のアグリメディアが担当してくれるため、少ない初期投資で貸し出せる。

借り手にとっては、近所にこういった市民農園が増えることで、家庭菜園よりも広い農園で好きな野菜などを育てる楽しみが生まれる。経験が少ない人でも、経験豊富な菜園アドバイザーが週に4~6回勤務しており、定期的に講習会なども開催されているため安心だ。そのような管理体制があることで、「シェア畑」では化学農薬や化学肥料は一切使用していないこともウリのひとつ。季節ごとの苗や種、農具や資材などもすべて用意してくれる。

参考:シェア畑

福岡・大分近辺で農機具をレンタルできる「アルク農業サービス」

アルク農業サービス画面
引用:アルク農業サービス
農業を始めるにも続けるにも、大きなコストがかかるのが農機具だ。トラクターやコンバインなど、大型農機具ともなれば数百万~数千万円にもなるが、これまでは農家単位で購入することが多かった。そんな負担を解消するために、農機具のシェアリングも始まっている。

福岡県にある「アルク農業」では、必要な時だけ農機具や農作業を代行するサービスを行っている。

例えば、作業日が1日なら、農機具とともにオペレーターも派遣してくれる農作業代行サービスがお得だ。内容に応じて数千円~数万円程度で代行してくれる。農機具のみのレンタルは、2日以上から数万円~数十万円。長期レンタルも可能で、この場合は雨天時など作業できない日数は差し引いてくれるのもうれしい。逆に、オペレーターのみの派遣も行っている。

1回あたりのコストはかかるものの、メンテナンスのコストも手間も節約できるところは強みだ。レンタルできるのは福岡県と大分県の一部のみだが、近隣であれば利用を考えてもいいだろう。

参考:アルク農業サービス

使わなくなった中古農機具を有効活用「全国中古農機市場」

全国中古農機市場
引用:JUM
コストだけを考えれば農機具レンタルが最も割安だが、収穫したい時にすぐに収穫する、といった使い方は難しい。年に数回しか使わないとしても、やはり農機具は手元に置いておきたいと考える人もまだまだ多いだろう。

そんな人には、使わなくなった中古農機具を売買できる「全国中古農機市場」というオンライン取引サービスがある。

新規就農したい人にとって、初期コストはできるだけ抑えたいもの。ただ、ネットオークションなどの個人売買では性能や状態に不安を感じるケースも少なくない。

その点、「全国中古農機市場」では会員制をとっており、農機具を売買したい業者会員と、中古の農機具を売り買いしたい農家会員の間で全国のネットワークを介して売り買いできる。農機具に精通している業者の目を通した商品を購入できるので、農家にとっても安心だ。

参考:全国中古農機市場

「所有する」時代から「共有する」時代へ

黒板に書かれたshare
出典:写真AC
人口減少社会が現実のものとなってきた日本では、今後は個々が物を「所有する」時代から「共有する」時代へと急速に変化していくと予想される。すでに進んでいる自動車、住宅、駐車場などのシェアリングだけでなく、スキルや時間のシェアリングも始まっており、「シェアリングエコノミー」という言葉も一般的に聞かれるようになってきた。

ヒト、モノ、スペースなど、農業分野においてもシェアできるものは広がってきている。スマート農業の拡大とともに、スリムな経営により収益を上げるための農業分野でのシェアリングサービスも、今後大きな広がりを見せていくだろう。

「SMART AGRI」には、ほかにもドローンやAIなど先進的な情報がたくさん掲載されています。
スマートアグリロゴ

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この記事の筆者:
SMART AGRI

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