目次
パーライトとは
パーライトは、ガラス質の火山岩を高温で加熱し、急激に水分を蒸発させることで内部の構造を多孔質化させています。パーライトが軽く、排水性や保水性、通気性に優れているのはこの多孔質化によるものです。一般的にパーライトは土壌改良などの目的で園芸に使用されますが、保温・断熱性が高く、耐火性もあることから建築材料などにも使用されており、セメントと混合したパーライトモルタルが建築現場で活躍しています。
パーライトの原料
パーライトの原料は海外では真珠岩のみですが、日本では真珠岩のほかに黒曜石、松脂岩(しょうしがん)などが使用されています。パーライトの組織
パーライトの組織は、柔軟性のあるフェライトと、強靭なセメンタイトが層状になって形成されています。顕微鏡で見ると、この微細複層組織が真珠のように輝いているため「パーライト」と呼ばれるようになったといわれています。パーライトの特徴
パーライトには優れた軽量性のほかに、土壌の排水や保水、保肥性の向上、断熱や耐火性、軽量性などの特徴があり、農業だけでなく工業分野でも幅広く使われています。また、土の団粒化にも貢献してくれるため、微生物を増やし、土壌を改善する効果もあります。パーライトの種類
パーライトには、真珠岩や黒曜石など原料によっていくつかの種類があります。真珠岩パーライト
真珠岩のパーライトは、保水性の高さが特徴。水分を多く含む真珠岩が高温で熱せられた際に、内部の水分が膨張し、真珠岩の壁を破壊することで、スポンジのような多孔質構造になるためです。土が乾きやすかったり、水はけが良過ぎるといったときには真珠岩のパーライトを配合すると土壌の改良になります。黒曜石パーライト
黒曜石のパーライトは、通気性・排水性の向上を目的として使われます。土の水はけが悪いときや、植物の根の発育不全などに土壌改良材として使用すると効果的です。また排水性の高さから、鉢底石にも利用されます。松脂岩パーライト
松脂岩のパーライトは、園芸でも一部使用されることがあります。ただし、ほとんどのパーライトの原料には、真珠岩か黒曜石が使用されています。園芸で使用するパーライト
種類によって効果が違うパーライトは、用途や目的に応じて使い分けましょう。土壌改良でパーライトを使用するには?
パーライトを使用する際には、まずは土壌がどんな状態であるかを見極めてから、それに合ったパーライトを選ぶようにしましょう。目的に応じてパーライトを選ぶ
上記のように、パーライトは原料によって特徴が異なります。土壌の水はけが悪く、根腐れを起こすなどのトラブルがある場合には、排水性を高める黒曜石のパーライトを。逆に水はけがよすぎて、土がすぐに乾いてしまう状態なら保水性を高めてくれる真珠岩のパーライトを選びましょう。また、ハンギングで鉢の軽量化を求める場合には、どのパーライトを選んでも問題ないですが、排水性や保水性などの特徴を踏まえて、植栽する植物に適したものを使用してください。
パーライトを使用する時の注意点
パーライトはとても軽いため、度重なる水やりでパーライトのみが表面に浮き上がってくることがあります。植え替えをする際には、再度土とパーライトをよく混ぜ合わせましょう。また、パーライトには肥料分がないので、用土として単独で使用するには向いていません。パーライトの使用量は?
パーライトの使用量は、土全体に対して1~2割程度が目安。挿し木や育苗などには単体で使うこともあります。パーライトを挿し木や種まきに使用するには?
挿し木には、保水性の高さが求められるため、真珠岩のパーライトがおすすめです。パーライト単体でもいいですし、赤玉土やバーミキュライトなどを混ぜても良いでしょう。種まきにパーライトを使用する場合は、ほかの土と混ぜて使用するのが一般的ですが、水耕栽培の場合はパーライト単体に種まきすると、発芽もよいのでおすすめです。土壌改良材「バーミキュライト」との違い
バーミキュライトもパーライトと同じように、主に土壌改良材として使用されます。バーミキュライトの原料は、苦土蛭石(くどひるいし)という鉱物。バーミキュライトも熱処理により多孔質化しているため、保水性や軽量性、断熱性といった特性を備えています。バーミキュライトはパーライトとよく似た性質を持っていますが、パーライトよりも保水性が高いため、種まきや挿し木用にはさらに適しています。バーミキュライトについて詳しくはこちら。
パーライトの価格は?どこで買えるの?
パーライトは、2Lほどの少量から50Lの大袋まで販売されており、価格もさまざま。少量のものであれば100円前後で購入できます。販売場所はホームセンターや園芸店ならまず間違いないですが、最近ではダイソーなどの100均でも手に入ります。種類別おすすめのパーライト
真珠岩パーライト
保肥性や保水性を補う
・容量:2L
挿し木や挿し芽にも
・容量:10L
バラの挿し木用に購入。パーライトの底が水に浸かる程度にして挿し木すると、ほとんどのものが成功します。平均して80~90%は挿し木が成功します。たぶん、水が腐らないので、それがいいんでしょうかね~。気に入ったバラは、バックアップ用に挿木するので、とても重宝していますヽ(^。^)ノ
出典: Amazon
黒曜石パーライト
吊り鉢などにも最適
・内容量:4L
とても軽い鉢底石
・内容量:12L
今までで10袋くらい買ってます。はじめは近所のホームセンターで小袋で買い、使用して気に入りました。大袋が置いてないので他店で見つけては購入。本当に軽くて、大きな鉢や季節によって場所を移動させる鉢植えの底石に重宝しています。使用後に土にまぜても良いところも気に入っています。力をいれるとシャワシャワと崩れるので好き嫌いはあると思いますが私は気になるほどではありません。この軽さでこの強度なら満足です。
出典: Amazon
パーライトが含まれた培養土
培養土には保水性・排水性を兼ね備えた団粒構造が適しているので、培養土にはパーライトが含まれていることが多いです。パーライトが含まれた培養土は従来のものより軽く、作業もしやすいのが特徴。また、作物の病気を予防するためにも、培養土の資材は無菌であることが望ましく、高温処理されたパーライトはとても清潔なので適した資材であるといえます。有機質がたっぷり入った培養土
・容量:14L
早く、この商品に出会っていれば良かったと思います。作物を育てる基本の土づくり、小区画に大切に育てたいところに使いました。
出典: Amazon
菌根菌配合で植物が丈夫に育つ!
・容量:25L
ベランダの手すり部分にポットを引っかけてプランター栽培いるので、少しでも土が軽いと嬉しい、と考えて購入しました。
商品到着後、持ち上げてみると……。
商品名の「かる〜い」という言葉は本当でした。看板に偽りなしです。
計測したわけではありませんが、ホームセンターで買った同量の袋と比べると、体感で半分くらいの重さです。
出典: Amazon