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家庭菜園のプロ|福⽥俊先⽣にお話しをうかがいました
東京農工大学農学部農学科卒。菜園家。ブルーベリー研究家。「どうすればおいしい野菜がたくさん採れるか」「いかにラクで楽しい野菜づくりができるか」を追求し、「フクダ流」自然農的有機栽培を実践。16平米という限られたスペースの市民農園で、年間50品目以上の野菜を有機・無農薬で栽培しています。監修を務めた家庭菜園誌や著書も多数。関連サイト
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著書
『市民農園1区画で年間50品目の野菜を育てる本』(学研プラス)
『フクダ流家庭菜園術』(誠文堂新光社)
『福田さんのラクラク大収穫!野菜づくり』(学研パブリッシング)
バーク堆肥とは?
バーク(Bark)とは樹皮のことです。バーク堆肥とは、簡単にいうと樹皮を発酵させて作られた堆肥です。バーク堆肥にはフミン酸という成分が含まれ、これが肥料分の吸収を助けるため、保水性と保肥性が高くなります。また分解されにくいリグニンという有機物が多く含まれており、土壌改良効果が長時間持続するのもポイントです。バーク堆肥は分解されにくいためいろいろな微生物が集まり、微生物が多様化するので病原菌の繁殖を防ぐ効果が出て、野菜などが病気になりにくくなるという性質もあります。バーク堆肥そのものに肥料としての成分はほとんど含まれていないのですが、高い土壌改良効果をもっており、農業・ガーデニングでは、土質をアップさせるために地面へすき込む「土壌改良材」などとして使用されています。
腐葉土や牛ふん堆肥との違いは?
腐葉土との違い
腐葉土は植物の葉を発酵させたもので、土壌改良材・マルチング材として使われます。肥料成分は少なく、あくまで有機質に富んだ土を作るためのものです。バーク堆肥は樹皮なので硬く、地中の微生物に分解されるスピードが遅い一方、葉から作られている腐葉土は軟らかく、分解速度も速いという違いがあります。牛ふん堆肥との違い
牛ふん堆肥はバーク堆肥よりも豊富な肥料成分を含んでいます。土壌改良の際、もっと肥料成分も含ませたいなら混ぜてみると良いでしょう。なお、効き目はゆっくりなので追肥として使うには不向きです。土づくりの段階で利用するようにしましょう。バーク堆肥はどんな時に使う?効果は??
土壌改良材として優れたはたらきをするバーク堆肥。バーク堆肥はどのようなときに使い、使うことでどのような効果が得られるのでしょうか。バーク堆肥を土壌に入れることで、まず物理では通気性が高まります。これは、原料である樹皮が土の中に空間を作るためです。排水性の良くない土壌、保水性・保肥性に乏しい土壌に使用することで、排水性もありながら高い保水性と保肥性をもった土壌に改良することができます。
また、バーク堆肥を分解するためにさまざまな微生物が集まることもポイントです。微生物にもいろいろなタイプがありますが、植物の根と共生するものが増えると養分吸収も良くなって植物が元気に育ち、土もふかふかで質の高いものになります。多種多様な微生物が存在することで病原菌の繁殖も防がれ、植物が病気になりにくい土壌づくりに役立ちます。
雑草の繁茂や土壌の乾燥が気になる場合にもバーク堆肥は有効です。マルチとして使用すれば、他のマルチング材と同様太陽光をさえぎって雑草の生長を抑制してくれるほか、土壌の乾燥を防いでくれるなどの効果があります。
バーク堆肥を使用するデメリット
バーク堆肥にはデメリットもあります。バーク堆肥のデメリットを2点ご紹介します。まず1つめは、使いすぎた場合にチッ素飢餓に陥ってしまうことです。バーク堆肥にはさまざまな微生物が集まり、樹皮を分解しながら増殖していきます。樹皮を分解する際にチッ素を必要としますが、樹皮の窒素含量は少ないため、土壌中のチッ素が消費されます。このため、バーク堆肥を使いすぎると土壌のチッ素が不足しやすく、注意が必要です。バーク堆肥を使うときには、チッ素肥料と一緒に使うようにしましょう。
2つめは、生のバーク堆肥を大量に使った場合に発酵が起こることです。発酵によって土壌の温度が上がり、その間は植え付けができなくなるので、生のバーク堆肥を使う際には注意してください。
バーク堆肥の使い方
バーク堆肥は「土壌改良材」や「マルチング材」として使用されます。それぞれどのよう方法で使えば良いのか、福田先生にお聞きしました。土壌改良材として
植物を育てるときの土は、微生物がたくさん存在し、通気性や保水性、保肥性に優れている状態が理想です。土壌を理想的なコンディションにするため、植え付け前に行うのが「土壌改良」です。畑や花壇をよく耕し、バーク堆肥など植物から作られる堆肥や、牛ふんなど動物質堆肥などの土壌改良材をすき込みましょう。バーク堆肥は、1平方メートルあたり5〜10kgを使用してください。また、バーク堆肥を使用する際には、チッ素飢餓を防ぐためにチッ素肥料も忘れずに入れましょう。チッ素肥料は、硫安だと1平方メートルあたり90g程度が目安です。土壌改良についてはこちらの記事もチェック!
マルチング材として
マルチングには、- 雑草が生えてくるのを防止する
- 水分の蒸発を防ぐ
- 冬の寒さから植物を守る
- 雨後の泥はねによる病気を予防
- 土の柔らかさを保ち、団粒構造を維持する
マルチングに関してはこちらの記事もチェック!
通販で買えるおすすめバーク堆肥10選
1. 良質な針葉樹の樹皮原料‼品質重視の人におすすめ
・容量:40L
製造地をはっきり明記しているので安心です。それと、量が多くて安い方だから、庭の広範囲にまけます。去年の秋まいたおかげで、今年の葉や花の色艶が違うし、土も柔らかいです。
出典: 楽天市場
2. 使い切りに便利な小容量
・容量:5L
果樹や花をたくさん育てて楽しんでいる。高齢となり免許を返したため重い肥料等をネットで注文することになりこの商品は初めて購入した。
効果はまだわからないが、しっかりしたたい肥のようで春を楽しみにしている。
出典: Amazon
3. 連作障害の出やすい植物に
・容量:18L
4. 完熟なので悪臭なし
5. 発酵促進剤不使用
・容量:20L×3袋
素人にとって堆肥の安全性は検証が難しいので助かります。
作物はよく育っています。
出典: Amazon
6. 安くてスタンダードな製品
7. まとめ買いがお得
・容量:40L×2袋
良く発酵していて土と混ぜるのも楽で満足です。
出典: Yahoo
8. 安心の完熟品
・容量:40L
バーク堆肥の分析項目にCECというものが有り、数値70以上が良判定の目安であることを知った。しかしながら、数あるバーク堆肥商品で分析項目の内容を明らかにしている商品は稀であり、たとえ提示されていたとしても情報が正確なのかどうかの検証は私にはできない。到着した商品は軽く、フカフカ。これまで店舗で手に持った商品とは異なる、まるで上質な掛け布団かと感じた。製品臭気は、気にならない。今回購入した4袋(計160L)の製品の色にバラツキはなく、CEC値 87.8、水分58.9の実力を実感した。
出典: 楽天市場
9. 森で作られたバーク堆肥
・容量:40L
もう何袋目のリピートか忘れてしまいました。それほど繰り返し使いたい土です。常備しておいて、植え付けやマルチに使ったり、硬い土と混ぜて団粒化させたりしています。これからも使い続けると思います。
出典: 楽天市場
10. この容量がちょうどいい
・容量:18L
混じりっ気なしの細かく統一に裁断されたバークで非常に使いやすいです。
鉢植えにもちょうどいい細かさです。
下処理なくそのまま使えるのが便利です。
土壌改良には欠かせません。
出典: 楽天市場
バーク堆肥の作り方
バーク堆肥づくりには樹皮が必要です。腐葉土の落ち葉と違って大量入手が難しく、完成するまでに数年とかなり時間も掛かるため、ご家庭で自作するのは難易度が高め。ここでは参考までに作り方をご紹介しますね!- 樹皮を屋外で積み重ね、2~3年放置します。
- 樹皮を細かく粉砕し、鶏ふんや尿素を混ぜます。
- 何度か天地返しを行うことで微生物を活発化させながら、さらに5~6カ月屋外で放置します。
- 水分含有量を50~60%に調整し、高温発酵を行います。熟成したら完成です。