目次
挿し木とは?
挿し木とは、植物を殖やす園芸テクニックのひとつです。殖やしたい植物の枝や茎などを切り取って土に挿し、発根させて株を殖やします。種まきでは殖やしにくい植物にも使われる手法です。挿し芽との違い
「挿し芽」は挿し木の同義語です。挿し木は、主に樹木タイプの植物を殖やすときに使われますが、挿し芽は草花や多肉植物、つる性植物など、茎が柔らかいタイプの植物を殖やすときに使われます。挿し穂とは
挿し木・挿し芽をするために切り取った、枝や茎のことを「挿し穂」といいます。挿し木のメリット
種から育てた実生株は遺伝子が変異し、親株と違う姿になってしまうことがあります。しかし、挿し木では親株と全く同じクローンを一度にたくさん殖やすことが可能です。また、適した時期に行えば成功率も高く、種まきよりも短い期間で株を殖やすことができるのもメリット。種ができにくい植物を殖やしたり、株の更新したりするときにも活用できます。挿し木のデメリット
挿し木は、植物の生長が旺盛になる時期でないと、うまく根が出ずに失敗してしまうことがあります。また、置き場所や水やりなどの管理に気をつけないと、途中で枯れてしまったり、腐ってしまったりすることも。挿し木で殖やせる観葉植物
挿し木で増やすことができる、代表的な観葉植物の種類を紹介します。お気に入りのグリーンを殖やせば、いろいろな場所で楽しめるのもいいですね。観葉植物は大きくなるまでに時間がかかるので、気長に育てていきましょう!パキラ
科・属 | パンヤ科・パキラ属 |
挿し木に適した時期 | 5月下旬~9月上旬 |
パキラの種類や詳しい育て方はこちらの記事で!
ゴムの木
科・属 | クワ科・フィカス属(イチジク属) |
挿し木に適した時期 | 5月下旬~8月上旬 |
ゴムの木の種類や詳しい育て方はこちらの記事で!
ガジュマル
科・属 | クワ科・フィカス属(イチジク属) |
挿し木に適した時期 | 5月下旬~9月上旬 |
ガジュマルの種類や詳しい育て方はこちらの記事で!
モンステラ
科・属 | サトイモ科・ホウライショウ属(モンステラ属) |
挿し木に適した時期 | 5~9月 |
モンステラの種類や詳しい育て方はこちらの記事で!
ユーカリ
科・属 | フトモモ科・ユーカリ属 |
挿し木に適した時期 | 6~7月 |
キンモクセイ
科・属 | モクセイ科・モクセイ属 |
挿し木に適した時期 | 5~7月 |
五葉松(ゴヨウマツ)
科・属 | マツ科・マツ属 |
挿し木に適した時期 | 3~6月 |
紅葉(モミジ)
科・属 | ムクロジ科・カエデ属 |
挿し木に適した時期 | 6~7月 |
挿し木(挿し芽)で殖やせる多肉植物
個性的な姿で目を楽しませてくれる多肉植物。葉に水分をためるため乾燥に強く、生命力も旺盛なので育てやすいグリーンです。そんな多肉植物には、挿し木(挿し芽)で殖やすことができる種類がたくさんあります。グリーンネックレス
科・属 | キク科・セネシオ属 |
挿し木(挿し芽)に適した時期 | 5~7月/9~11月 |
グリーンネックレスの詳しい育て方はこちらの記事で!
月下美人(ゲッカビジン)
科・属 | サボテン科・エピフィルム属 |
挿し木(挿し芽)に適した時期 | 5~9月 |
エピフィルムの種類や詳しい育て方はこちらの記事で!
セダム
科・属 | ベンケイソウ科・マンネングサ属(セダム属) |
挿し木(挿し芽)に適した時期 | 3〜5月/9〜10月 |
セダムの詳しい育て方はこちらの記事で!
エケベリア
科・属 | ベンケイソウ科・エケベリア属 |
挿し木(挿し芽)に適した時期 | 3~6月/9~10月 |
エケベリアの詳しい育て方はこちらの記事で!
挿し木で殖やせる果樹
自宅の庭や菜園で、果実を収穫できるのがうれしい果樹。挿し木なら、苗を買わずに株を殖やせるので経済的です。ここでは、挿し木で殖やすことができる代表的な果樹を紹介します。オリーブ
科・属 | モクセイ科・オリーブ属 |
挿し木に適した時期 | 6~7月/3~4月 |
オリーブの詳しい育て方はこちらの記事で!
ブルーベリー
科・属 | ツツジ科・スノキ属 |
挿し木に適した時期 | 7月上旬/12~3月 |
ブルーベリーの種類や詳しい育て方はこちらの記事で!
ブドウ
科・属 | ブドウ科・ブドウ属 |
挿し木に適した時期 | 3月 |
ブドウの詳しい育て方はこちらの記事で!
このほかの果樹の育て方は、こちらの記事をチェック!
挿し木ができる植物一覧
上記の挿し木で殖やせる植物を一覧表にまとめました。観葉植物・庭木
種類 | 科・属 | 挿し木に適した時期 |
パキラ | パンヤ科・パキラ属 | 5月下旬~9月上旬 |
ゴムの木 | クワ科・フィカス属(イチジク属) | 5月下旬~8月上旬 |
ガジュマル | クワ科・フィカス属(イチジク属) | 5月下旬~9月上旬 |
モンステラ | サトイモ科・ホウライショウ属(モンステラ属 | 5~9月 |
ユーカリ | フトモモ科・ユーカリ属 | 6~7月 |
キンモクセイ | モクセイ科・モクセイ属 | 5~7月 |
五葉松(ゴヨウマツ) | マツ科・マツ属 | 3~6月 |
紅葉(モミジ) | ムクロジ科・カエデ属 | 6~7月 |
多肉植物
種類 | 科・属 | 挿し木に適した時期 |
グリーンネックレス | キク科・セネシオ属 | 5~7月/9~11月 |
月下美人(ゲッカビジン) | サボテン科・エピフィルム属 | 5~9月 |
セダム | ベンケイソウ科・マンネングサ属(セダム属) | 3〜5月/9〜10月 |
エケベリア | ベンケイソウ科・エケベリア属 | 3~6月/9~10月 |
果樹
種類 | 科・属 | 挿し木に適した時期 |
オリーブ | モクセイ科・オリーブ属 | 6~7月/3~4月 |
ブルーベリー | ツツジ科・スノキ属 | 7月上旬/12~3月 |
ブドウ | ブドウ科・ブドウ属 | 3月 |
挿し木ができない植物って?
分球して殖える球根植物や、地下茎につく芽で殖えるヤシ類、葉裏の胞子で繁殖するシダ類などは挿し木では殖やせません。また、種をたくさんつける一年草などの植物は、挿し木よりも種まきのほうがよく殖えます。挿し木が可能な植物でも、親株が病気などで弱っていたり、休眠期で体力がなかったりすると、成功率が下ってしまうため注意しましょう。挿し木に必要な道具と材料
作業を始める前に、まずは必要なものを用意しておきましょう!必要な道具
鉢・プランター
挿し木に使う鉢やプランターは、小ぶりのものでOKです。挿し穂に対してあまり大き過ぎると、過湿気味になってしまうので注意しましょう。鉢底ネット
水やりの際に鉢底穴から土が流れ出てしまうのを防いだり、虫の侵入をブロックします。・サイズ:20×30cm
・内容:5枚
量が多くてお買い得
たくさん入ってこのお値段はお買い得だと思います。好きなサイズに切れるので気に入っています。
出典: 楽天市場
はさみ
親株から枝や茎を切り取ったり、余分な葉をカットするときに使います。断面の繊維をつぶさないように、切れ味の良いものを使いましょう。樹木などの太い枝を切るときには、剪定ばさみがおすすめ。おすすめの剪定はさみはこちらの記事で紹介しています!
カッター
挿し穂の断面を斜めにカットするときに使用します。はさみが届きにくい、混みあった枝を切り取るときにも便利です。ピンセット
挿し穂を挟んで持つほか、用土に穴をあけて挿すときにも活躍します。・サイズ:全長125mm
・材質:ステンレス
必要な材料
挿し穂
殖やしたい植物の枝や茎を切り取って用意しておきます。剪定した枝を挿し木に利用するのもおすすめです。樹木タイプの植物や多肉植物など、種類ごとの挿し穂の作り方は、後ほど紹介します!挿し木用の用土
挿し木に使う用土は、水はけが良く、雑菌の少ないものが適しています。バーミキュライトや小粒の赤玉土のみでも大丈夫ですが、挿し木用に配合された専用用土を使用すると安心です。・内容量:5L
・成分:バーミキュライト、パーライト、鹿沼土、ピートモス
ダメ元で挿し木してみたら、すくすく育ってます!土の感じも良いです。虫も出ないし色々挿してみたくなります。
出典: Amazon
赤玉土とバーミキュライトについては、こちらの記事をチェック!
鉢底石
土の下に鉢底石を敷くことで、鉢底の穴から土が流れ出てしまうのを防ぎ、排水性と通気性も高めてくれます。・内容量:2L
100均など購入していたのですが、やはり繰り返し使うとなるとこちらの方が良いと思います
出典: 楽天市場
発根剤
発根剤を使うことで、挿し木や挿し穂の成功率がぐんとアップします。初心者に特におすすめなのは、粉状の発根剤「ルートン」。何もつけないよりも約2倍の早さで根が出ます!一度にたくさん挿し木をしたい場合は、液状の発根剤「メネデール」もあると便利です。・内容量:15g
アジサイの枝をさしました。ルートンを付けたのと付けないのとでは
まったく違いました。
出典: Amazon
・内容量:100ml
とても重宝しています、ウンベラータ・ダスティーミラー等を増やす際に水耕で根を確認してから植え付けをしていますが、メネデール不使用では根が出ず枯れてしまう事が多いです。
メネデールを使用して失敗した事がないので株を増やしたい時には無くてはならない商品です。
出典: Amazon
このほかおすすめの発根剤は、こちらの記事をチェック!
観葉植物・庭木の挿し木のやり方
つる性・樹木タイプの観葉植物を挿し木で殖やす方法を紹介します。庭木も、基本的に樹木タイプの観葉植物と同じ方法になります。Step1. 挿し穂を作る
つる性の観葉植物の挿し穂の作り方
3~4節の長さでつるを切り取り、用土に埋まる部分の葉は取り除きます。節と節の間が長い植物は、1節程度でもOKです。用土に挿しやすい長さに調整しましょう。残した葉が大きめの場合は、水分の蒸散を防ぐために半分ほどにカットしてください。小さい葉はそのままでも大丈夫です。樹木タイプの観葉植物・庭木の挿し穂の作り方
成葉がそろった充実した枝を選び、3節ほどの長さになるようにカットします。吸水性をアップさせるために、挿し穂の切り口は、カッターで斜めに切って面積を広げておきましょう。また水分の蒸散量を抑えるために、挿し穂の葉は数枚のみ残し、1/3~1/2の大きさになるようにカットします。Step2. 発根剤をつける
挿し穂の切り口に「ルートン」や「メネデール」などの発根剤を塗付します。Step3. 挿し穂を用土に挿す
挿し穂を1本ずつ用土に挿していきます。ピンセットなどで穴をあけておくと、挿し穂が折れずにじょうずに挿すことができます。用土に挿す際は、1節以上が埋まるようにしましょう。Step4. たっぷりと水やりする
挿し穂をすべて用土に挿し終わったら、水やりして完了です。その後は、風通しが良く、直射日光の当たらない明るい半日陰で管理しましょう。観葉植物の殖やし方は、こちらの記事で詳しく紹介しています!
サクラ(桜)やアジサイ(紫陽花)など、庭木の挿し木方法はこちら!
多肉植物の挿し木のやり方
挿し木(挿し芽)で殖やせる多肉植物は、茎が伸びて直立する木立性(こだちせい)タイプです。代表的なものでは、セダム、クラッスラ、アエオニウム、エケベリア、パキフィツム、カランコエ、メセン類などがあります。ここでは、それらの多肉植物を挿し木にする方法を紹介します。Step1. 芽先を切り取る
親株の枝や茎を1cmほど残し、カッターやはさみで芽先を切り取ります。挿し穂にする枝はできるだけ、フレッシュなものを選びましょう。徒長した枝ではうまく発根しないことがあるので注意してくださいね。Step2. 余分な葉を取る
用土に挿す部分の葉は、付け根から取り除きます。Step3. 切り口を乾かす
風通しの良い場所に3~5日ほど置き、挿し穂の切り口を乾かします。Step4. 挿し穂を土に挿す
挿し穂が倒れない程度に用土に挿します。挿し床に使う用土は、小粒の赤玉土や鹿沼土、川砂、バーミキュライトなど、水はけと保水性に優れたものが最適です。Step5. たっぷりと水やりする
最後にたっぷりと水やりをしたら作業完了です。多肉植物の殖やし方は、こちらの記事で詳しく紹介しています!
果樹の挿し木のやり方
ブルーベリーやオリーブなどの果樹を挿し木で殖やす方法は、観葉植物の樹木タイプや庭木と同じです。親株が元気で、作業の時期を間違えなければ成功率も上がりますよ!Step1. 枝を切り取る
よく充実した、新しい枝を10~15cmほどの長さ切り取り、挿し穂にします。挿し木の根は節の周辺から根が出やすいため、節のすぐ下で切り取ると良いでしょう。先端部分に花芽がついていたら取り除きます。Step2. 余分な葉を取り除く
土に埋まる部分の葉は不要なので、取り除きます。Step3. 枝の切り口を斜めにカットする
水の吸い上げをアップさせ、発根の促進になるように、挿し穂の切り口をカッターで斜めに切ります。Step4. 挿し穂を水揚げする
水を張った容器に挿し穂を挿し、1時間ほど水を吸わせます。Step5. 挿し穂を土に挿す
挿し穂が倒れない程度の深さで土に挿します。発根率をより高めたいのであれば、発根剤を使用するのも良いでしょう。果実を食用にする場合は、ホルモン剤タイプは避け、天然成分を原料としたものを選ぶと安心です。長く効く!濃縮生薬をブレンドした有機活性剤
・内容量:250ml