目次
この記事では、そんなヤーコンの持つ健康パワーからおいしい食べ方、さらに家庭菜園での育て方まで、たっぷりと紹介します!
ヤーコンとは?どんな野菜か知ってる??
ヤーコンは、南米・アンデス高地原産のキク科の野菜です。日本に入ってきたのは1980年代で、その後の研究によって、整腸作用のあるフラクトオリゴ糖が多く含まれていることがわかり、健康野菜として注目されるようになりました。ヤーコンは土の中にできるイモの仲間ですが、ジャガイモやサツマイモのようなでんぷん質がほとんど含まれず、味わいはオリゴ糖由来のほんのりした甘みが特徴です。生で食べるとシャリシャリした歯ざわりで、「畑の梨」とも呼ばれています。
ヤーコンのオリゴ糖と食物繊維に注目!
ヤーコンに多く含まれる栄養素
健康野菜として知られるヤーコンですが、特に注目されている栄養素は「フラクトオリゴ糖」と「食物繊維」の2つ。フラクトオリゴ糖は、人の胃や小腸で分解・吸収されにくい性質があり、口にするとほとんどがそのまま大腸へと運ばれます。そして、大腸内でビフィズス菌をはじめとする乳酸菌のエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を整え、便秘の改善や、コレステロールや中性脂肪、血糖値、血圧などの数値を下げる働きをすることがわかっています。また、ヤーコンには食物繊維も多く含まれていますが、その大半が、余分な脂質や糖を排出する働きをする水溶性の食物繊維です。フラクトオリゴ糖と食物繊維の組み合わせによって、便秘改善や生活習慣病予防などの効果がいっそう高まります。
ヤーコンの葉にはポリフェノールがたっぷり!
さらに、ヤーコンは根部だけでなく、葉にも優れた健康効果があるといわれています。ヤーコンの葉を乾燥させたお茶にはポリフェノールが多く、血糖値やコレステロール、中性脂肪を下げる効果と強い抗酸作用を発揮します。ヤーコンを栽培すればお茶は簡単に作れるので、最後の項目でお茶の作り方も紹介します。ダイエット食材としても大注目のヤーコン
ヤーコンは100g当たり約54kcalと、イモ類の中で最も低カロリー。血糖値を上げにくい低GI食品でもあるため、余分な脂質や糖を排出させる働きがあり、糖質制限などのダイエットをしている方にもおすすめの野菜です。また、砂糖に比べると控えめではありますが、甘みもあるので満足感が得られます。食べ方については、次の項目で紹介します。ヤーコンが出回る時期や地域は限られているので、手に入りにくい場合は、市販のヤーコンシロップを利用してみるのも良いでしょう。普段の料理やデザートに、砂糖代わりに気軽に使えますよ。
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ヤーコンシロップ
農薬・化学肥料を使わず、無施肥の自然栽培で育てられたヤーコンを100%使ったシロップです。料理やスイーツ作り、ヨーグルトのトッピングなど幅広く使えます!
・内容量:150g
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ヤーコンの食べ方|下処理(アク抜き)の方法
ヤーコンの食べ方
ヤーコンは、ピーラーや包丁で皮を剥いてから調理します。生のままでも食べられるので、好みの調味料と合わせて和え物にしたり、スライスや千切りにしてサラダの具材にしたりするのもおすすめ。ほんのりとした甘みと、シャキシャキとした歯ごたえが楽しめます。ほかにもヤーコンは、炒めたり揚げたりと加熱調理してもおいしく食べられます。意外と幅広い料理に使えるヤーコン。ぜひいろいろな食べ方を楽しんでみてください。おすすめレシピは次の項目で紹介します!
ヤーコンの下処理
調理のためにヤーコンを包丁で切り、そのままにしていると、切り口から黒く変色してしまいます。これは、ヤーコンに含まれる酵素「ポリフェノールオキシターゼ」が、空気に触れることによって起こる現象です。変色しても、食味が変わることはありませんが、気になる人は下処理(アク抜き)をすると良いでしょう。ヤーコンを食べやすい大きさに切ったら、塩水でさっと洗うか、酢水に数分さらす程度にします。ヤーコンの栄養素であるフラクトオリゴ糖は水溶性のため、長時間水に浸けると流れ出てしまうため注意してください。下処理を終えたら、すぐに調理するようにしましょう。
おすすめのヤーコンレシピ
ここからは、ヤーコンを使ったおすすめのレシピを紹介します!変色が気になる人は、調理する前にアク抜きすることをお忘れなく。シャキシャキおいしい!ヤーコンサラダ
ヤーコンを初めて食べるなら、まずはサラダがおすすめ。まるで梨のようなシャキシャキとした歯ごたえが楽しめますよ!作り方
Step1. ピーラーなどでヤーコンの皮を剥いて千切りにするStep2. キュウリやニンジン、ツナなど好みの具材と一緒にボールに入れる
Step3. マヨネーズやドレッシングなどの調味料をかけ、ざっくりと混ぜ合わせる
Step4. 器に盛って完成!
千切りにしたヤーコンをきんぴらに!
ヤーコンの食感を活かすなら、きんぴらにするのも◎。独特の甘みがあるので、砂糖要らずでヘルシーなきんぴらが作れますよ。作り方
Step1. 皮を剥いたヤーコンを細切りにするStep2. ニンジンも同様に細切りにする
Step3. 鍋にごま油を適量入れて熱したらニンジンを入れ、ある程度火が通ったらヤーコンを加えてしんなりするまで炒める
Step4. しょう油とみりんを入れたら、水分がなくなるまで煮詰める
Step5. 器に盛り、白ゴマをふりかけたら完成!
サクッと食べられる!ヤーコンの天ぷら
イモの仲間であるヤーコンは、天ぷらにするとサクサク・ほくほくの食感に。ヤーコンだけでももちろんOKですが、ニンジンやゴボウなどと一緒にかき揚げにするのもおすすめです!作り方
Step1. 皮を剥いたヤーコンをやや太めの千切りにするStep2. ニンジンとゴボウもヤーコンと同じ位の太さの千切りにする
Step3. 千切りにしたヤーコンとニンジン、ゴボウを天ぷら粉に入れて衣をつける
Step4. 高温の油でカラッと揚げれば完成。塩やしょう油など好みの調味料で召し上がれ!
ヤーコンをたっぷり入れて具だくさんの味噌汁に!
ほんのりとした甘みと、シャキシャキの食感が特徴のヤーコンは、味噌汁の具材にもぴったり。多めに入れれば、食べ応えも抜群です!作り方
Step1. 皮を剥いたヤーコンを拍子木切りにするStep2. ヤーコン以外にも具材を入れる場合は、カットするなど下処理をしておく
Step3. 鍋にだし汁とヤーコンなどの具材を入れて煮る
Step4. 具材が柔らかくなったら、火を止めて味噌を溶き入れて完成!
煮崩れしにくいヤーコンは煮物にもぴったり!
ヤーコンをとろ火でじっくり煮込めば、味のしっかり染み込んだ煮物に!冷めてもおいしいので、お弁当のおかずにもおすすめですよ。作り方
Step1. ヤーコンは皮を剥き、1cmほどの厚さの輪切りにするStep2. だし汁にヤーコンを入れ、砂糖、みりん、しょう油、酒、塩を入れて火にかける
Step3. 沸騰したらとろ火にし、30分ほど煮込む
毎朝飲みたい!ヘルシーなヤーコンジュース
好きなフルーツとヤーコンを一緒にミキサーにかければ、おいしいミックスジュースの出来上がり!ヤーコンはほんのり甘みがありますが、もっと甘くしたいという人は砂糖やハチミツも加えてもOK。作り方
Step1. ヤーコンの皮を剥いて適当な大きさにカットするStep2. バナナやリンゴなど好みのフルーツも同様に皮を剥いてカットする
Step3. ミキサーに具材と牛乳を入れ、よく撹拌(かくはん)する
Step4. ハチミツなどで甘さを調節したら完成!
薬膳とおばあちゃんの知恵をベースにしたヤーコンの「簡単養生ごはん」レシピはこちら。
ポリフェノールたっぷり!ヤーコン茶を作ってみよう
ヤーコンの葉や茎にはポリフェノールが多く、お茶として飲むと生活習慣病の予防などに役立つといわています。家庭菜園でヤーコンを育てたら、葉を利用してヤーコン茶作りにも挑戦してみるのも良いでしょう。ヤーコン茶にはカフェインが含まれないので、カフェインが合わない人も安心して飲むことができます。比較的飲みやすい味ですが、春菊に似たキク科特有の香りと苦みがあります。慣れるまでは薄めに入れたり、緑茶とブレンドしたりすると、飲みやすくなります。
ヤーコン茶の作り方
Step1. 葉を収穫する
ヤーコンの株が十分に生長した夏から秋にかけてが、葉の収穫に適しています。寒くなると葉が枯れるので、その前に行いましょう。株の中心部は避けて、外側の葉をハサミで切り取ります。1カ所からたくさん取るのではなく、位置を変えて少しずつ間引くように収穫します。Step2. 干す
葉の裏表をよく洗い、大きなザルに広げて、風通しの良い日陰で3~4日乾燥させます。乾いたら手で揉むか、キッチンバサミで細かくします。Step3. 保存する
完全に乾かすために、フライパンで焦がさないようにから炒りするか、電子レンジ(600W)で2~3分加熱して水分を飛ばします。冷めたら容器に入れて保存しましょう。ヤーコンの上手な保存方法
ヤーコンを入手したら、できるだけ長く保存して、おいしく食べたいですよね。そこでここでは、ヤーコンの保存方法について紹介します!まるごと保存する場合
ヤーコンをまるごと保存する場合は、1本ずつ新聞紙に包んでから、発泡スチロールの箱などに入れて乾燥させないように冷暗所で保存します。常温で保存する場合の適した温度は、1~15℃ほどが目安です。適当な冷暗所がないという場合は、冷蔵庫の野菜室に入れておくのもおすすめ。2週間をめどに使い切るようにしましょう。カットしてから保存する場合
ヤーコンを食べやすい大きさにカットしてから保存しておくと、調理の時短になるので便利です。ただし、切り口から酸化して風味が落ちたり、腐りやすくなったりするため注意が必要。カットしたらすぐにラップでしっかりと包むか、ジッパー付きの食品用保存袋に入れて密閉し、冷蔵庫で保存しましょう。冷蔵では3日ほど、冷凍する場合は3週間ほどの保存が可能です。種イモとして保存する場合
自作したヤーコンを収穫した場合は、イモの上部に付いている塊茎(ゴツゴツとした赤紫色の部分)を取り外して保存しておきましょう。翌年塊茎を植え付ければ、またヤーコンを栽培することができます。新聞紙などに包んで乾燥に気をつけながら、5~10℃の場所で保存しましょう。
ヤーコンの栽培方法|植え方や収穫時期は?
ヤーコンは丈夫で病気に強く、手間がほとんどかからないことから、初心者でも育てやすい野菜です。ただし、地上部は2mほどの高さになり、大きく葉を広げて生長するので、栽培にはある程度のスペースが必要になります。栽培方法は、4〜5月に苗や種イモ(塊茎・かいけい)を植え付け、11月ごろに掘り上げて収穫します。収穫まで半年ほど掛かるため、ほかの野菜の邪魔にならない場所に植えるようにしましょう。
Step1. 用意するもの
・ヤーコンの苗(または種イモ)そのほか必要なものは、こちらの記事をチェック!
Step2. 土作り
栽培する区画の土壌酸度を測り、pH6.0~6.5になるように、必要に応じて石灰をまきます。1週間ほどあけて堆肥と肥料をまき、よく耕して畝を立てます。さらに1週間置いて土となじませます。詳しい土作りの方法はこちら!
Step3. 苗の植え付け
畝の表面をよくならし、苗のポットと同じ深さの植え穴を掘ります。2株以上植える場合は、間隔を50cmほどあけましょう。ポットを外して苗を植え付け、周りの土を寄せて軽く押さえ、ジョウロで水やりします。種イモを植える場合も、同じように間隔を空けて土に埋めます。Step4. 追肥
植え付けの2~3週間後から、月に1回を目安に、粒状の化成肥料などを追肥します。追肥後はくわで土と肥料を軽く混ぜ、株の根元に寄せておきましょう。株が倒れてくるようなら、支柱を立てて支えます。Step5. 収穫
秋になると、黄色いひまわりのような花が咲きます(地域や気候によって咲かない場合もあります)。花が咲き終わり、株が枯れ始める10月下旬ごろになったら、試し掘りをして大きさをチェックしてみましょう。十分な大きさに育っていたら、茎を刈り取り、地中に房状に付いたヤーコンを掘り上げます。ヤーコン栽培で注意する病害虫
ヤーコンは丈夫で育てやすく、病害虫にもかかりにくい野菜ですが、環境によっては「ヨトウムシ」や「アブラムシ」といった害虫がつく場合があります。日頃からよく観察し、食害された葉を見つけたら捕殺するなど対策を行いましょう。「ヨトウムシ」と「アブラムシ」の詳しい対策はこちらの記事で!
ヤーコンに関するQ&A
ここでは、ヤーコンにまつわる疑問や質問にお答えします!Q.ヤーコンの効能は?糖尿病に良いってほんと??
ヤーコンには、ビフィズス菌のエサとなる「フラクトオリゴ糖」が豊富に含まれています。そのため、ヤーコンを食べることで腸内環境が改善され、便秘やコレステロール、中性脂肪などの数値を下げる効果が期待できます。また、ヤーコンの葉には血糖値の上昇を抑えるといわれる「ポリフェノール」も多く含まれることから、糖尿病の予防対策になると注目されています。
Q. ヤーコンに毒性は無いの?
毒性はありませんが、食べ過ぎは要注意です。ヤーコンに含まれている「フラクトオリゴ糖」や「不溶性食物繊維」は、過剰に摂取すると下痢になったり、逆にお腹が張って便秘になったりすることがあります。Q. ヤーコンがまずいと聞きました…
ヤーコンを初めて食べた人は、独特の甘みと食感に戸惑うこともるようです。食にはそれぞれ好みがあるので、まずいと思う人もいますし、おいしいと感じる人もいます。ヤーコンの風味が苦手な人は、きんぴらなど、濃いめの味付けにするとおいしく食べられますよ。ヤーコンを料理のわき役に取り入れて
いもから葉っぱまで、無駄なく利用できるヤーコン。地域によってはまだ珍しい野菜ですが、フラクトオリゴ糖や食物繊維など、体に良い成分がたっぷりと含まれているので、ぜひ普段の食事に取り入れていきたいですね。紹介されたアイテム
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