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暑さに強い観葉植物11選|屋外・屋内向け別!耐暑性があるおすすめの種類をプロが厳選紹介


夏の暑さにも負けない、耐暑性に優れた観葉植物をプロが紹介!屋内・室内管理向きの種類と、暑さだけでなく寒さにも強い屋外管理向けの種類をそれぞれピックアップしました。暑さに強い観葉植物を選ぶためのポイントや、夏越し・冬越しの注意点も解説します。
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アロエ・ラモシシマ

画像提供:白田仁
大切に育てていた観葉植物が、夏の暑さで弱って枯れてしまった…という苦い経験はありませんか?トロピカルな雰囲気の観葉植物は、暑さに強そうなイメージがありますが、実は種類によっては直射日光や高温になる環境が苦手なものもあるのです。35℃超えも珍しくない日本の夏は、植物にとっても過酷な環境といえますよね。暑い夏でもいきいきとした観葉植物を楽しみたいのであれば、耐暑性のある種類を選ぶことが重要です。
そこで今回は、多くの観葉植物を扱うプロに、暑さに強いおすすめの種類を教えてもらいました。室内・室外向けと、育てる環境別にピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

暑さに強い観葉植物を教えてくれたのは

白田 仁さん

白田仁さん
撮影:AGRI PICK編集部
ボタニカルショップ「NEO GREEN 渋谷」オーナー。
NHK「趣味の園芸」テキストで、園芸ダイアリーの観葉植物を担当し、執筆・監修を2年間務める。そのほか、インテリアグリーンに関する本の監修も多数。店舗で扱う植物は、全て自身の目で厳選し、鉢合わせしたもの。植物とかわいらしいネコ達との暮らしが垣間見れるインスタグラムは必見!

HP:http://www.neogreen.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/neo_green/

NEO GREEN 渋谷

NEOGREEN渋谷
画像提供:白田仁
あわただしい現代生活を送る都市生活者に向け、グリーンポットを提供。観葉植物をよりインテリアに取り入れやすいよう、「景色をつくる」鉢合わせを追求しています。
「NEO GREEN 渋谷」では、 ほっこりかわいらしい「どんぐりポット」から、マニアックな多肉・観葉植物まで、さまざまな植物に出合うことができます。

ADDRESS:東京都渋谷区神山町1番5号グリーンヒルズ神山 1階
OPEN:12:00-20:00
TEL/FAX:03-3467-0788
E-MAIL:[email protected]
定休日:月曜日(祝祭日にあたる場合は火曜日)

白田仁さん監修のほかの記事もチェック!

グリーンライフの提案

暑さに強い観葉植物とは?

ユッカ
出典:Pixabay
観葉植物の耐暑性の強さは、その植物がどのような環境下で自生しているか、原産地はどのような気候なのかということにより変わります。
植物を購入する前に原産地を調べ、どのような気候や環境を好むのかを把握しておくと適した管理場所が分かります。

砂漠地帯の植物は暑さだけでなく寒さにも強い

砂漠地帯や砂漠の周辺で自生している植物は、日中は50℃ほどの高温、夜間は0℃前後の低温という厳しい環境下で生きています。そのため、耐暑性のみならず、耐寒性にも優れた強い性質を持っています。

熱帯地方の植物は酷暑には弱い

多くの観葉植物は熱帯雨林が故郷ですが、熱帯地方の最高気温は30℃を少し超えるくらいで、東京の夏の最高気温のように35℃以上になることがありません。赤道にほど近いシンガポールでも、月間平均最高気温は31~32℃止まりです。また、ジャングルの地表近くで生きる植物たちは、高木(こうぼく)の影に守られて、意外と涼しい環境で生きているため、猛暑が苦手な性質のものが多くなります。

夏越しする際の注意点とは?水やり・肥料の与え方など

ベランダの観葉植物
出典:写真AC
暑さに強い観葉植物でも、真夏は水やりや肥料のやり方には注意が必要です。ここでは、より元気に夏越しさせるコツを紹介します!

水やりの注意点

水を好むのか、または乾燥気味を好むのかは、植物の自生地の環境により変わります。特に降雨量の少ない砂漠地帯やその周辺に自生する種類は、乾き気味に管理するのがポイントです。水やり後に何日も土が湿っているような状態が続くと、株が弱って根腐れしてしまいます。用土も、水はけのよいものを選ぶようにしましょう。

肥料の与え方

耐暑性のある観葉植物は、砂漠地帯など痩せた土地で生きているものが多いため、あまり肥料を必要としません。種類により多少変わりますが、年間を通して肥料は控えめにするのがベター。肥料をあげ過ぎると、肥料焼けを起こして枯れてしまうこともあるため、注意しましょう。

観葉植物の肥料についてはこちらの記事をチェック!


ベランダなど室外で夏越しさせる場合

砂漠地帯で自生しているような植物でも、地中の根は高温になり過ぎるのを嫌います。砂漠では、地表は直射日光に照らされて熱くなりますが、地中はそれほど高温にならないからです。
そのため、ベランダやコンクリートの路面などに、植木鉢を直置きしている場合は注意が必要。直射日光の照り返しにより、鉢土が熱くなって植物の根もダメージを受けてしまいます。そうならないためには、鉢と地表の間に隙間を作って、風通しを良くするようにしましょう。すのこやレンガ、植木鉢用のスタンドで植木鉢を持ち上げるようにすると、鉢の中に熱がこもるのを防ぐことができます。

暑さに強い観葉植物は寒さに弱い?冬越しの注意点とは

サンセベリアとアロエ
出典:PIXTA
暑さに強い植物は、冬の寒さに影響されないか心配になりますよね。そこで、じょうずに冬越しをするための注意点とポイントを押さえておきましょう!

冬場の置き場所に注意する

観葉植物は、原産地や自生地により耐寒性の強さも異なります。例えば、サバンナ地帯は砂漠に近い地域ですが、夜間になっても砂漠のように気温が極端に下がることはありません。そのため、サバンナ地帯で自生する植物には、冬の寒さを苦手とする種類が多くなります。
そのような耐寒性が低い種類の観葉植物をベランダなど室外に出している場合は、冬になったら室内に入れてあげるようにしましょう。また、部屋の中でも、窓のすぐ側は夜になると外気の影響を受けて気温が低くなります。特に寒さに弱い植物は、少しでも寒さをしのげるように、窓から離れた場所で管理するのがおすすめです。

水やりの注意点

暑さに強い観葉植物は、降雨量が極端に少ない砂漠地帯で自生するものが多いため、乾燥にもよく耐えます。特に、休眠期となる冬は根が水分を吸収しにくくなるため、断水するか、水やりの回数を控えるようにしましょう。水やりを控えることで、耐寒性も上がります。

暑さに強い観葉植物|屋内(室内)で育てるのにおすすめの種類6選

ここからは、暑さに強く、部屋の中(屋内)で育てるのに適した種類を紹介していきます。特徴としては、比較的耐陰性が強く、直射日光が当たらないほうが美しい葉色を維持できるものになります。

1. サンセベリア

サンセベリア・キルキー
画像提供:白田仁 ▲「サンセベリア・キルキー」
サンセベリア・ボンセレンシスドワーフ
画像提供:白田仁 ▲「サンセベリア・ボンセレンシス・ドワーフ」
サンセベリアの生育に適した温度 20~30℃
原産地 熱帯アフリカ・アラビアの乾燥地帯・南アジア
暑さに強く、耐陰性もあるサンセベリアは、初心者にも育てやすい観葉植物のひとつです。種類も多く、上の画像「サンセベリア・キルキー」のような葉幅が広いものや、下の画像「サンセベリア・ボンセレンシス・ドワーフ」のように小鉢で楽しめる小型品種なども人気となっています。
サンセベリアは、最低気温が10℃を下回るようになると休眠状態に入るため、断水します。逆に10℃以上の環境で水が不足し過ぎると、葉がシワシワになってしまうので注意しましょう。

「サンセベリア」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


2. ユーフォルビア(多肉質タイプ)

ユーフォルビア・ラクテア・クリスタータ
画像提供:白田仁 ▲「ユーフォルビア・ラクテア・クリスタータ」
ユーフォルビア・グランディアラータ
画像提供:白田仁 ▲「ユーフォルビア・グランディアラータ」
ユーフォルビアの生育に適した温度 15~30℃
ユーフォルビアの原産地 アフリカ大陸、マダガスカル、中東
約2,000種もの種類がある大きな属として知られるユーフォルビア。ひとくちにユーフォルビアといってもその姿はさまざまで、観葉植物として親しまれる多肉質タイプのものや、室外に植えて花を楽しむタイプなどがあります。ユーフォルビアは耐暑性があるだけでなく、乾燥にも強いため育てやすいのも特長。ここでは葉姿がユニークな、多肉質のユーフォルビア「ラクテア・クリスタータ」と「グランディアラータ」をピックアップしました。

「ユーフォルビア」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


3. ストレリチア

ストレリチア・レギナエ
画像提供:白田仁 ▲「ストレリチア・レギナエ」
ストレリチア・レギナエ
画像提供:白田仁 ▲開花した「ストレリチア・レギナエ」
ストレリチアの生育に適した温度 15~30℃
ストレリチアの原産地 南アフリカ
耐暑性がとても高いストレリチアは、真夏に高温日が続いても生育が鈍らず、元気に育つ観葉植物。暑さだけでなく、寒さにも強いためインテリアグリーンの入門編としてもおすすめできる種類のひとつです。ストレリチアは、すんなり長く伸びる葉柄と色鮮やかな花がとても優雅で、お部屋にアジアンリゾートのようなゆったりとした雰囲気をもたらしてくれます。画像は、ストレリチアの代表品種である「レギナエ」。比較的葉が小ぶりでコンパクトにまとまるため、場所を取らずに育てられます。

「ストレリチア」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


4. ユッカ

ユッカ・アロイフォリア
画像提供:白田仁 ▲「ユッカ・アロイフォリア」
ユッカ・エレファンティペス
画像提供:白田仁 ▲「ユッカ・エレファンティペス」
ユッカの生育に適した気温 10~35℃
ユッカの原産地 北アメリカ大陸~中央アメリカ
耐暑性・耐寒性共に優れる丈夫な性質で、観葉植物の定番として昔から親しまれているユッカ。上に向かって伸びるシャープな葉とがっちりとした幹は、力強い生命力を感じさせてくれます。画像は、上が盆栽のように仕立てられた「アロイフォリア」と、下が「青年の木」という流通名でも知られる「エレファンティペス」。ユッカは古葉になると葉先が枯れ込んでくるため、はさみで茶色くなった部分をカットすると美観が保てます。

「ユッカ」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


5. ハオルチア

ハオルチア・オブツーサ
画像提供:白田仁 ▲「ハオルチア・オブツーサ」
ハオルチア・十二の巻
画像提供:白田仁 ▲「ハオルチア・十二の巻」
ハオルチアの生育に適した気温 15~20℃
ハオルチアの原産地 南アフリカ
多肉植物の中でも特に人気を集める「ハオルチア」。同じハオルチアでも、上の画像の「オブツーサ」を始めとする軟葉系と、下の画像「十二の巻」のような硬葉系に分かれ、その見た目も大きく異なります。南アフリカを原産とするハオルチアは暑さに強く、乾燥に強い性質を持ちますが、直射日光に長時間当たると葉色が赤~茶色に日焼けしてしまうため、真夏は明るい半日陰で管理するようにしましょう。

「ハオルチア」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


6. バニーカクタス(オプンチア)

バニーカクタス
画像提供:白田仁 ▲「バニーカクタス」
バニーカクタスの生育に
適した温度
 15~30℃
バニーカクタスの原産地 メキシコ、アメリカ合衆国の一部、西インド諸島、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンの一部地域など
ピョコピョコと出た小さな葉が、まるでウサギの耳のように見えるキュートなサボテン「バニーカクタス」。「オプンチア(ウチワサボテン)」の中でも特に人気の品種で、小鉢仕立てにされたものがよく流通しています。35℃超えの暑さでも耐えますが、夏の強い日差しに長時間当たると葉が黄ばんでしまうため、半日陰に置くか、寒冷紗などで20%程度の遮光をすると安心です。

「オプンチア(ウチワサボテン)」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


暑さに強い観葉植物|屋外(室外)で育てるのにおすすめの種類5選

ここからは、お日様が大好きで暑さに強い、屋外管理におすすめの観葉植物を紹介します。玄関先やベランダ、テラスなどにグリーンを置きたい人におすすめです!
ただし、屋内で販売されていた株を購入した場合は、徐々に光に慣らしていくようにしましょう。急に長時間強い日差しに当てると、葉焼けしてしまうことがあるので注意してくださいね。

1. ユッカ・ロストラータ

ユッカ・ロストラータ
画像提供:白田仁 ▲「ユッカ・ロストラータ」
ユッカの生育に適した気温 10~35℃
ユッカの原産地 北アメリカ大陸~中央アメリカ
耐陰性のあることで知られるユッカですが、品種によっては直射日光をよく当てたほうが良い、室外(室外)管理向きのものもあります。そんな品種のひとつが、画像の「ロストラータ」。放射状に広がる美しいシルバーリーフが魅力ですが、日陰では姿が乱れやすくなってしまうため、よく日の当たる場所での管理が最適。寒さにも強いため、玄関先のシンボルツリーにはぴったりです!

「ユッカ」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


2. トレリチア・ユンケア

ストレリチア・ユンケア
画像提供:白田仁 ▲「ストレリチア・ユンケア」
ストレリチアの生育に適した気温 15~30℃
ストレリチアの原産地 南アフリカ
針のように長く伸びた葉柄がユニークな、「ストレリチア・ユンケア」。室内向けでも紹介しているストレリチアですが、こちらの品種は日の光が少ない日陰に置いておくと、このシャープな葉柄の付け根が柔らかくなって自重で倒れてしまうため、できれば室外のよく日が当たる場所で管理するのがベストです。直射日光に当たっても葉焼けすることはないので、真夏でも安心です。

「ストレリチア」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


3. トックリラン

トックリラン(ボーカルネアレクルバータ)
画像提供:白田仁 ▲「トックリラン」
ボーカルネアレクルバータ(トックリラン)
画像提供:白田仁 ▲「トックリラン」
トックリランの生育に適した気温 15~30℃
トックリランの原産地 北アメリカ南西部~中米
その独特の葉の生え方から「ポニーテール」という愛称を持つ「トックリラン」。ぷっくりと膨らんだ根元(基部)に水分を蓄えるため、暑さだけでなく耐乾性にも優れた観葉植物です。学名は「ボーカルネアレクルバータ」といい、北アメリカ~中米を原産地とする多年草になります。よく日に当てて育てることで、根本がふっくらとしたトックリランらしい姿に生長します。

4. キダチアロエ(木立アロエ)

キダチアロエ
出典:写真AC
アロエの育成に適した気温 15~30℃
アロエの原産地 南アフリカ
日当たりを好むアロエは、基本的に屋外管理に適した観葉植物です。特に画像の「キダチアロエ」は、暑さに強く、直射日光によく当てることで生育が旺盛になります。寒さにも強く、関東以南の温暖地域では屋外での越冬も可能です。病害虫の心配もほとんどない丈夫なキダチアロエですが、長雨には弱いため、庇(ひさし)のある場所など、雨が直接当たらない場所に置くようにしましょう。

「アロエ」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


5. アガベ

アガベ・パリー
画像提供:白田仁 ▲「アガベ・パリー」
アガベ・アメリカーナ・エクスパンサ
画像提供:白田仁 ▲「アガベ・アメリカーナ・エクスパンサ」
アガベの生育に適した気温 20~35℃
アガベの原産地 北アメリカ南部、中央アメリカ、南アメリカ北部
ロゼット状に広がる葉が美しい「アガベ」。品種によって葉の形や色合いなど、バリエーションが楽しめる観葉植物です。上の画像は「パリー」という、青白い葉と赤いトゲのコントラストが美しい人気の品種。下の画像の「アメリカーナ・エクスパンサ」は、マットな質感の葉を持つ、存在感抜群の大型品種です。耐寒性も強いため、年間を通して屋外管理で元気に育ちます。

「アガベ」の種類と育て方についてはこちらをチェック!


真夏も元気!暑さに強い観葉植物を育てて楽しもう

窓辺のサンセベリア
出典:写真AC
今年の夏は、暑さに負けない観葉植物をお部屋に置いて、いきいきとした姿に癒されてみませんか?今まで夏の間に観葉植物を枯らしてしまったという人も、耐暑性のある種類を選べば元気に育てることができますよ。グリーンをたくさん飾って、南国リゾート気分を味わってみるのも良いかもしれませんね!

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この記事の筆者:
AGRI PICK 編集部

AGRI PICKの運営・編集スタッフ。農業者や家庭菜園・ガーデニングを楽しむ方に向けて、栽培のコツや便利な農作業グッズなどのお役立ち情報を配信しています。これから農業を始めたい・学びたい方に向けた、栽培の基礎知識や、農業の求人・就農に関する情報も。

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